■FOMCが米ドル/円上抜けのきっかけに
そのきっかけとなったのは、9月20日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)です。
FOMCでは政策金利は据え置きとなりましたが、それは予想されたことでした。注目されていたのは、次の利上げがいつになるかという点です。
ここのところの、米経済指標の結果などがまだら模様であったため、年内の利上げ期待は萎んでいる状況となっていました。
米ドル/円が一気に112円台へ上昇するきっかけとなったのは9月20日(水)のFOMC。年内の利上げ期待は萎んでいる状況だったが… 写真はイエレンFRB議長 (C) Bloomberg/Getty Images
しかし、FOMC声明文と同時に発表された「経済・金利見通し」の中のドットチャートでは、16人中12人のメンバーが年内の利上げを予想するという結果となっていたことで、12月利上げの期待感が一気に高まり、米ドル全面高の展開となりました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 30分足)
その影響で、米ドル/円も一気に112.00円を抜けたということです。
■米ドル/円は数週間以内に114円程度へ上昇
さて、今後の展開ですが、最近の為替相場の動きはスピードが緩やかであるということが1つの特徴となっています。
米ドル/円は112.00円を上に抜けたからといって、一気に上昇するという可能性は、さほど高くはないと思います。
しかし、米ドル/円はチャート的にも上昇トレンドに入っているように見受けられ、やはり、114円程度までの上昇は数週間以内にあるのではないかと予想しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
【参考記事】
●10月解散総選挙とトランプ来日で円安へ!? 英ポンド急騰! でもまだ上昇余地あり?(9月18日、西原宏一&大橋ひろこ)
●ポンド/円は買いだが、利上げすればそこが天井。ドル/円は10月から上昇しやすい傾向(9月19日、バカラ村)
併せて、市場が安定していることで、全体的に円安になるという動きも出てきているので、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)でも円安傾向はまだ続くのでないかと考えています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
何かしらの通貨ペアで、円売りのポジションを持っておきたいところです。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!でもおなじみの今井雅人さんからのレポートを受けて、ザイFX!が 配信する「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人(月額:5,500円(税込))」。
その日のニュースをコンパクトに解説し、今後の為替の値動きについての予測とともに、今井氏のポジションについても可能な限り配信する、実践型の有料メルマガです。
「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人」には10日間の無料体験期間がありますので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)