■ミサイル発射への反応は徐々に薄れていく
9月15日(金)の早朝に、北朝鮮が再びミサイルを発射し、市場も一時的にリスクオフの動きで円高に向かいましたが、今回はその円高の深さも、時間的にも、これまでよりは小さく、市場は非常に落ち着いた反応を見せました。
米ドル/円はミサイル発射の発表前は110円台でしたが、発表後、一時的に109円台半ばまで下落しました。しかし、すぐに110円台を回復する展開となりました。
(出所:Bloomberg)
北朝鮮の問題は緊張感が高まってきているのは事実ですが、米国、北朝鮮の双方ともに手詰まり感があるため、当面、挑発活動が継続する程度で大きな衝突にまでは至らないという様相を呈してきています。
【参考記事】
●米ドル/円は北朝鮮ミサイル発射でも押し目限定的。年内の上値目標は115~116円!(9月15日、陳満咲杜)
今後は、ミサイル発射などに対して、市場の反応は徐々に薄れていくのではないかと考えています。(ただし、事態が深刻化したときは局面が一変するので、それは常に頭に入れておく必要があるでしょう)
■溜まった円買いポジションが反発の原因
9月15日(金)以降は、米ドル高・円安の流れが徐々に進行しています。
チャート的に言えば、北朝鮮の核実験で米ドル/円が年初来安値を更新して107円台になった局面がありましたが、そこで、かなり短期的な円買いポジションが溜まってしまったことで、逆に反発のきっかけになってしまっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
そして、その後は緩やかな上昇トレンドを形成しています。
私は、前回のコラムで、米ドル/円は111.00円を抜けたからといって、一気に上昇するとは考えていないと話しました。
【参考記事】
●米ドル/円の反動を大きくさせた原因は? 不確定要素だらけで、決め打ちは無理…(9月14日、今井雅人)
実際は、米ドル/円は一時、111.00円を上に抜けたものの、すぐに伸び悩んでしまったわけですが、その後、北朝鮮のミサイル発射をこなして、再び111円台に乗ってきたことで、下値の堅さを感じました。
【参考記事】
●ドル/円下げ止まりを示唆するサインとは? ユーロ/円は中期的に140円を目指す動きに(9月14日、西原宏一)
そして、111円台が定着すれば、さらなる上昇が期待できます。まずは、小さなチャートポイントとして112円、そして、その次は114円と予想してきました。
そんな中、米ドル/円は一気に112.00円を上に突破する展開となってきています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
そのきっかけとなったのは、9月20日(水)のFOMC…
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