■NZ次期首相がRBNZの大幅改革を示唆
米ドル/円に加え、今週(10月23日~)のマーケット参加者が注目しているのが、NZドル。
NZドルが注目を集めた理由は、先月(9月)のニュージーランドの総選挙を受けた連立工作で、NZファースト党のピーターズ党首が労働党を選び、政権交代が実現する見込みになったことでした。
これを受け、NZドルは反落。
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NZドルの下落の理由は、アーダーン・ニュージーランド労働党党首(若干37歳!)がRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])の改革を示唆していること。
写真は労働党党首でNZ次期首相のアーダーン氏。NZドル下落の理由は、同氏がRBNZの改革を示唆していることにあるという (C)Hagen Hopkins/Getty Images
RBNZは、ニュージーランドの中央銀行のこと。
RBNZはインフレターゲティングを世界で最初に導入した中央銀行として有名です。
政府と中央銀行の間でインフレ目標を定める「政策目標合意=PTA(Policy Targets Agreement)」が初めて締結されたのが、1990年3月。
これ以降、RBNZに課せられている責務は物価安定のみ。
しかし、労働党は完全雇用の達成も中銀に義務付けたい考えを持っています。
加えて、金融政策の決定も総裁だけでなく、外部メンバーを含めた委員会で決めることも提案している模様…。
これによって、来年(2018年)のRBNZの利上げ見通しは大きく後退。
これは、NZドルにとってネガティブです。
■NZの新しい政策がNZドルにとってネガティブに…
次にNZドルの上値を押さえているのが、NZファースト党の移民政策。
若く才能ある移民を積極的に受け入れて経済を活性化してきたニュージーランドですが、その年間の受け入れ枠を減らす政策のようです。
結果、ニュージーランドの新しい政策はNZドルにとってネガティブであるとするマーケット参加者が増えていることから、NZドルは、じわじわと下落基調に。
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個人的には大幅改革迫られる可能性が高まったRBNZの行方に注目しています。
上値余地が拡大している米ドル/円と、RBNZの改革の可能性が報道されているNZドルの反落に注目です。
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