■トランプ米大統領がエルサレムを首都認定。大使館移転宣言
その他の気になるニュースについて、触れておきたいと思います。
トランプ米大統領は、12月6日(水)、エルサレムをイスラエルの首都と認め、テルアビブから在イスラエル米大使館を移転する手続きを開始すると宣言しました。
エルサレムをイスラエルの首都と認め、テルアビブから在イスラエル米大使館を移転する手続きを開始すると宣言したトランプ米大統領。今のところ、世論は冷静なようだが… (C) Chip Somodevilla/Getty images
今のところ、世の中の反応は、比較的冷静です。
しかし、この決定により、中東は、さらに混乱に陥る可能性があり、過激派組織によるテロの可能性が高まったことは指摘しておきます。
将来の市場の不安定要因となり得るでしょう。
■米税制改革法案可決。調整次第で米ドルに上昇圧力か
また、米国では、税制改革法案が上院、下院で、それぞれ可決しました。
法人税の引下げ時期や州・地方税控除の扱いなどで上下両院の案に相違があり、今後の両院協議会での調整が難航する可能性があります。
焦点となる法人税は、下院案では現行の35%から20%に即時引下げるとしていますが、上院案は、実施時期を2019年に先送りするとしています。
この実施が、どちらになるかによって、市場への影響は違ってきます。もちろん、即時になれば利上げのペースも早くなり、米ドルにも上昇圧力がかかってくるでしょう。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
もう1つの焦点は、米国企業が海外に留保する利益を米国に戻す際の税率の引下げです。
現金・流動資産は上院案が12%、下院案が14%に引下げるとし、固定資産については上院案が5%、下院案が7%としています。上院案が採用されれば、米ドル高圧力が高まると考えています。
ただ、海外資産の大半は米ドルで保有していることから、新たな米ドル買いはそれほど出ず、影響は軽微との見方もあり、どれくらいの影響が出るかは、まだ正確には見通せていません。
今後、調整される「統一法案」の内容は重要となってくるでしょう。
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