■「リバーサルレート」の質問に黒田総裁はどう答えるか
在韓アメリカ人が少なくなるクリスマス休暇を狙って対北朝鮮で米軍が動くのではとの憶測もありましたが、米朝高官の発言を見ていると対話ムードも出てきました。
先週(12月11日~)は国連安保理の閣僚級会合に北朝鮮代表が出席。言葉の上では非難の応酬でしたが、会合に出てきたこと自体、水面下では対話を模索しているのかなと想像させます。
ただ、今週(12月18日~)、19日(火)から23日(土)までペンス米副大統領がイスラエルやドイツなどを訪問します。北朝鮮や中東の地政学リスクには引き続き警戒が必要ですね。
それから、12月21日(木)には日銀の金融政策会合と黒田総裁の記者会見が開催されますね。
今年(2017年)1年、政策変更のなかった日銀ですが、今回もそうなるのでしょう。
注目は記者会見でしょうか。黒田総裁がスイスでの講演で「リバーサルレート」(※)に言及して以降、初めての会合ですよね。
政策的な意図がなかったとすでに否定していますが、記者会見では関連した質問が多く飛びそう……。
(※編集部注:「リバーサルレート」とは、金利が一定水準を下回ると金融仲介機能に悪影響を及ぼすとする理論のこと)
【参考記事】
●IMMの円ショートが2013年以来の高水準! 上昇できないドル/円は、戻り売りを継続へ(11月20日、西原宏一&大橋ひろこ)
アメリカやユーロ圏、イギリスなどが金融緩和の出口へ進んでいるなか、日本だけが取り残された形となっています。
来年(2018年)の日銀は出口が取りざたされる機会が増えそうですね。
【参考記事】
●もしも黒田さんが日銀総裁を辞めたら…!? 生保買いがあっても米ドル/円は戻り売り!(11月27日、西原宏一&大橋ひろこ)
■セル・ザ・ファクトを狙って戻り売り
それから、先週(12月11日~)のCBOE(シカゴオプション取引所)に続き、今朝(12月18日)からは、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)でビットコインの先物取引が開始されました。

(出所:Bloomberg)
CME上場への期待からか現物とFX価格が60万円も乖離するなどの混乱も見られますし、相変わらずボラティリティが高いですね。
ビットコイン/米ドルが1万ドル到達に湧いたのが先月(11月)末なのですが、もう2万ドルが間近に迫っています。

(出所:Bloomberg)
稼いだ人も多いでしょうから、税金には気をつけてほしいですね。さて、今週(12月18日~)は税制改革法案、つなぎ予算の米議会での審議、それにペンス副大統領の外遊、日銀会合といったイベントが注目ですね。
米税制改革法案が成立するのかどうか。成立すれば米国株で利益確定売りが出るかどうかがポイントになります。
「米税制改革法案、成立へ」といったヘッドラインで買われる場面もあるかもしれませんが、成立後のセル・ザ・ファクトを想定して今週(12月18日~)も米ドル/円の戻り売りを継続したいと思います。
(構成/ミドルマン・高城泰)
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
メルマガ「トレード戦略指令!」有料会員向けに西原宏一さんとフリーアナウンサーの大橋ひろこさんがぶっちゃけトークを繰り広げる動画コンテンツ「FX・投資作戦会議」を一部無料公開しています。ぜひ、ご覧ください。
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)