■ムニューシン財務長官の米ドル安歓迎発言は本音?
トランプ大統領が就任して、はや1年。
この間、(米ドル/円相場中心に見ていると、レンジ相場と錯覚しそうになりますが…)対ユーロ中心に、米ドル相場は下落。
【参考記事】
●2018年初頭に注目したいのはユーロ/円!米中間選挙に向けて米ドル/円は105円へ(2017年12月21日、西原宏一)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
2018年に入り、トランプ政権は、「税制改革」から「通商問題」に焦点を移行。貿易赤字を縮小するには、自国通貨安が有利です。
【参考記事】
●米通商問題が争点となり米ドル安が進む。ドル/円は110円が決壊! 次は105円へ…!?(1月25日、西原宏一)
そして、先日(1月24日)のムニューシン米財務長官の「米ドル安歓迎」コメント。
このコメントに対し、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁などから、かなり強い口調で反論されたため、今週(1月29日~)に入って、ムニューシン米財務長官は、自身の「米ドル安歓迎コメント」を訂正しています。
【参考記事】
●ヘッジファンドの狙いは「日銀トレード」!? ドル/円は戻り売り継続で107円台前半へ…(1月29日、西原宏一&大橋ひろこ)
ドラギECB総裁などから、強い口調で反論されたため、ムニューシン米財務長官は米ドル安歓迎コメントを訂正した… (C)Bloomberg/Getty Images
このムニューシン米財務長官の「米ドル安歓迎」コメントに対し、マーケットでは、彼の失言という論評が目立ちます。
ただ、それが失言であったということは、逆に「米ドル安歓迎=本音」であり、少なくとも短期では、米ドル安を望んでいるのではないかという意見を持つマーケット参加者が増えています。
個人的には、マーケットにそう思わせようと意図的に失言したと勘ぐっています。
ビル・グロス氏やガンドラック氏が懸念していたように、今年(2018年)の米10年債利回りは続伸。そして、米金利や米国株の上昇に、まったく追随してこない今年(2018年)の米ドル/円相場…。
このことは、米ドル/円相場の上値が極めて重いことを示唆していると想定しています。
【参考記事】
●日銀会合で黒田総裁は「出口」をどう語る?何をしても上がらないドル/円は売り継続で(1月22日、西原宏一&大橋ひろこ)
加えて、ムニューシン米財務長官の「米ドル安歓迎という失言=本音?」コメント。
日米金利差の拡大が、米ドル/円の上昇を誘引するというマーケットの見方とは裏腹に、米ドル/円は一時、107円台ミドルまで反落しています。
米ドル/円は、引き続き105円への下落の過程に。
(出所:Bloomberg)
トランプ政権は、「税制改革」から「通商問題」に焦点を移行。
それに伴って、上値がさらに重くなってきた米ドル/円の行方に注目です。
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