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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米朝首脳会談など来週は重要イベント満載!
通商問題混迷の先にあるのは米ドル安か?

2018年06月07日(木)16:35公開 (2018年06月07日(木)16:35更新)
西原宏一

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■通商問題混迷の先にあるのは米ドル安か?

 一方、通商問題は混迷へ…。

 「アメリカファースト」というキャッチフレーズのもと、他国に対して関税を上げようとしている米国に対し、EUが報復関税を導入すると発表しました。

 EUの対米報復関税は、7月から導入。

 欧州委員会は、「一方的で違法なアメリカの決定に対し、WTOのルールに従った対抗措置を行使する」とのこと。

 加えて、G7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)の議長声明では、「アメリカの追加関税に対し6カ国が全員一致の懸念と失望を抱いた」と発表されています。

 米中通商問題も、紛糾…。

 数カ月前までは、通商問題が紛糾するにつれ、株は軟調に、為替は円高にという流れでした。

 ところが現在、通商問題は加熱していますが、マーケットはリスクオン。

NYダウは上昇、ナスダック総合指数は高値を更新しました。

NYダウ 日足
NYダウ 日足

(出所:Bloomberg)

ナスダック総合指数 日足
ナスダック総合指数 日足

(出所:Bloomberg)

 「アメリカファースト」による通商問題は、すでにリスクオンなのか? という雰囲気です。

 ただ、投資資金というのは本来、グローバルマーケットの不安定さを嫌うため、通商問題が収まらないと、株の継続的な上昇は難しいのではないかと想定しています。

 加えて、これだけ通商政策で混迷を極めると、報復関税の応酬より、単に通貨安にする方がシンプル。

 結果、現在原油も下がり、インフレ圧力も沈静化する中、徐々に通貨安、つまり、米ドルは下落に転じるのではないかと想定しています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

 前述のように、来週(6月11日~)はイベント満載の週ですが、111.40円でいったんトップアウトして下値余地が拡大している、米ドル/円の行方に注目です。


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