■通商問題混迷の先にあるのは米ドル安か?
一方、通商問題は混迷へ…。
「アメリカファースト」というキャッチフレーズのもと、他国に対して関税を上げようとしている米国に対し、EUが報復関税を導入すると発表しました。
EUの対米報復関税は、7月から導入。
欧州委員会は、「一方的で違法なアメリカの決定に対し、WTOのルールに従った対抗措置を行使する」とのこと。
加えて、G7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)の議長声明では、「アメリカの追加関税に対し6カ国が全員一致の懸念と失望を抱いた」と発表されています。
米中通商問題も、紛糾…。
数カ月前までは、通商問題が紛糾するにつれ、株は軟調に、為替は円高にという流れでした。
ところが現在、通商問題は加熱していますが、マーケットはリスクオン。
NYダウは上昇、ナスダック総合指数は高値を更新しました。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
「アメリカファースト」による通商問題は、すでにリスクオンなのか? という雰囲気です。
ただ、投資資金というのは本来、グローバルマーケットの不安定さを嫌うため、通商問題が収まらないと、株の継続的な上昇は難しいのではないかと想定しています。
加えて、これだけ通商政策で混迷を極めると、報復関税の応酬より、単に通貨安にする方がシンプル。
結果、現在原油も下がり、インフレ圧力も沈静化する中、徐々に通貨安、つまり、米ドルは下落に転じるのではないかと想定しています。
(出所:Bloomberg)
前述のように、来週(6月11日~)はイベント満載の週ですが、111.40円でいったんトップアウトして下値余地が拡大している、米ドル/円の行方に注目です。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)