■ゴールドが反発。逆相関になりやすい米ドル/円は弱い?
米ドルと逆相関になりやすいゴールドも、8月16日(木)安値から引いたトレンドラインで、きれいに反発しました。

(出所:Bloomberg)
ゴールドは米ドル/円と逆相関になりやすいですから、ゴールドのじり高が続くのだとすれば、ここからも米ドル/円は弱いということになりますね。
また、これは中期的な話になりますが、米ドル高相場が終わりつつあるのかもしれません。モルガン・スタンレーからも「米ドルの強気相場が終了したのでは」とのコメントが出ています。

(出所:Bloomberg)
日経新聞によると、61カ国の貿易量を踏まえてBIS(国際決済銀行)が算出した米ドルの総合的な価値である名目実効レート(以下、ドルインデックス)が、33年ぶりの高値をつけたそうです。
【参考記事】
●米金利上昇→株下落→円高の可能性小。今後は利上げで株高。ドル/円に上昇余地(11月9日、陳満咲杜)
33年前というと1985年。プラザ合意の年です。その水準まで達するのは、さすがに米ドル高の行き過ぎではないでしょうか。
米金利が低下し、ゴールドがじり高、米株も弱いとなると、ドルインデックスはここから反落する可能性が高いと思います。
■ユーロや英ポンドは先行き不透明。米ドル/円の売りを基本に
米ドル高が転換するのであれば、ユーロ/米ドルでの米ドル売りがよいですか?
ユーロは来年(2019年)後半にも利上げサイクルに入るかもしれませんし、「利上げ打ち止めが間近かもしれない通貨」と「利上げが始まるかもしれない通貨」では方向性の違いが鮮明です。
それはそうなのですが、ユーロ圏ではイタリア予算の混乱が不透明要因。今は、米ドル/円の方が明確だと思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
英ポンドは、いかがでしょうか。
先週(11月12日~)は閣僚4人の辞任が相次ぎ、EU(欧州連合)離脱担当相すら政権から離脱してしまいました。メイ英首相への不信任の動きも出てきています。
【参考記事】
●英ポンド急落! メイ首相に不信任案も!? 日銀の関係者がマイナス金利撤廃を提言?(11月16日、今井雅人)
BISのドルインデックスが33年ぶり高値から反落するのなら、英ポンド/米ドルも買われるでしょう。しかし、今の英ポンドはヘッドラインリスクが高過ぎる。手が出せません。
今週(11月19日~)は米金利低下やゴールド高、株安といった背景から考えて、米ドル/円の戻り売りがよいかなと思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 日足)

(出所:Bloomberg)
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