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コインチェックの正式登録を金融庁が発表。
次は楽天系、LINE系の仮想通貨交換業者も!?

2019年01月17日(木)16:00公開 [2019年01月17日(木)16:00更新] 向井友代[ザイFX!副編集長] バックナンバー一覧へ>>

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■仮想通貨交換業者の登録は最短6カ月程度で完了か

コインチェックの登録が発表された2019年1月11日(金)、実は、金融庁からもう1つ、「仮想通貨交換業者の登録審査における透明性の向上に向けた取組みについて」というお知らせが公表されています。

 ここで公表されたのは、仮想通貨交換業者の新規登録審査にかかる時間的な目安です。

 詳細は、金融庁のウェブサイトで確認していただければと思いますが、ざっくりお伝えすると、事前相談にあたる主要プロセス(役員ヒアリング→書面審査→訪問審査)から登録申請書の受理及び判断に至るまで、おおむね6カ月とのこと。

仮想通貨交換業者の新規登録審査にかかる時間的な目安

※金融庁発表の「仮想通貨交換業者の新規登録申請の審査等に係るプロセス及び時間的な目安」を参考に、ザイFX!が作成

 2018年初頭のコインチェックの仮想通貨流出事件以降、登録業者やみなし業者への立入検査やモニタリングが重点的に行われていたこともあり、コインチェックの登録発表までの1年以上の間、金融庁から新たな登録業者の発表はありませんでした。

 一時は立入検査やモニタリングに追われて、実質的に新規登録審査が滞っている状態という感じでしたが、2018年8月には「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング 中間とりまとめ」を公表、10月には「仮想通貨交換業者の登録審査プロセス」を公表するなどして、ここ半年ほど、金融庁は新規登録審査の透明性の確保や効率化・迅速化に力を入れてきたようです。

 今回、新規登録審査にかかる時間的な目安が公表されたのも、そうした取り組みの一環ということみたい。

【参考記事】
総資産が553%も拡大した仮想通貨業界に課題。金融庁の登録審査は、より厳格化の流れか
金融庁が仮想通貨の自主規制団体を認定。証拠金取引のレバレッジは4倍へ引下げ方針

 「おおむね6カ月」ということですので、これからは、以前のように1年以上も新規登録審査が滞るなんてことはなさそうです。スピードアップが期待されます

■楽天とLINE傘下の仮想通貨交換業者誕生へ?

 今現在でも新規登録の申請を行っている業者は相当数あるようですので、いちユーザーとしては、今後、どんな業者が登録を経て仮想通貨業界に参入してくるのか?とても興味深いところ。

 なかでも、特に新規登録の動向に注目したい業者は、先ほども出てきた楽天傘下のみなし業者、みんなのビットコインとLINE傘下のLVCでしょうか。

みんなのビットコインのウェブサイト
みんなのビットコイン
LVCのウェブサイト
LVC

 みんなのビットコインとLVCは、いずれも、1月4日(金)に、認定資金決済事業者協会、いわゆる仮想通貨の自主規制団体である日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)に第二種会員として入会

【参考記事】
金融庁が仮想通貨の自主規制団体を認定。証拠金取引のレバレッジは4倍へ引下げ方針

 同協会の第一種会員が登録済みの仮想通貨交換業者であるのに対して、第二種会員は、「仮想通貨交換業者登録の申請中の事業者又は申請を予定する事業者」です。

 同時に第二種会員として協会に入会した業者には、今回、登録を完了したコインチェックやみなし業者のLastRootsも含まれます(コインチェックは登録完了後、第一種会員に変更)。

コインチェックが第二種会員として入会した翌週、早くも登録を完了したことを考えると、みんなのビットコインやLVCの登録が完了する日も近いのかもしれません。

 それぞれ楽天とLINEが母体の業者ということで、登録が完了したら、いったいどのようなサービスを展開していくのか? 多様な方向に広がりそうで、今からかなり楽しみです。

■仮想通貨の弁済原資保持を義務付けへ

 最後に、最近の仮想通貨業界に関する動向として、気になることを少しお伝えしたいと思います。

 元ネタとなるのは、仮想通貨交換業に関するさまざまな問題について制度的な対応を検討するために、金融庁を事務局として設置された「仮想通貨交換業等に関する研究会」が公表した報告書です。

 余談ですが、この研究会の座長を務めているのは、2018年にザイFX!でもその動向を追いかけた「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」で参考人として招致されていた神田秀樹氏(東京大学名誉教授、学習院大学大学院法務研究科教授)。

【参考記事】
風雲急!店頭FX原則禁止論まで飛び出した第4回検討会。レバ規制強化派が優位に!?

 法学部出身の読者のなかには、神田教授の「会社法(法律学講座双書)」(神田秀樹著/弘文堂)という緑色の書籍を教科書として熟読していた人もいるかも?

 そんな神田教授が座長を務める「仮想通貨交換業等に関する研究会」ですが、注目の報告書は2018年4月以降、全11回の検討を経て、年の瀬も迫った2018年12月21日に公表されました。

「仮想通貨交換業等に関する研究会」報告書の概要
「仮想通貨交換業等に関する研究会」報告書の概要

(出所:金融庁「仮想通貨交換業等に関する研究会」)

 詳細は金融庁のウェブサイトで確認していただきたいと思いますが、ここでは、特に注目したい箇所のみ抜粋して紹介します。

 何より押さえておきたいのは、コインチェックやzaifなどの大規模な仮想通貨流出事件を受けて挙がってきた「オンライン上で秘密鍵を管理、つまり、ホットウォレットで保管している顧客の仮想通貨相当額以上の純資産額及び弁済原資(同種・同量以上の仮想通貨)を用意しておくことを義務化する」という項目。

 比率などは不明であるものの、仮想通貨交換業者においては、送付依頼などに迅速に対応するため、顧客から預かった仮想通貨の一部をホットウォレットで保管し、残りは秘密鍵をオフラインで管理するコールドウォレットで保管するというのが一般的と聞きます。

【参考記事】
なぜ、仮想通貨の盗難はあとを絶たない?仮想通貨はどうやって管理するのが安全か?

 ただし、ホットウォレットは、コールドウォレットに比べてセキュリティ面が弱く、結局、コインチェックでもzaifでも、不正アクセスによって仮想通貨が流出したのはホットウォレットから…。上述のように、ホットウォレットで保管される仮想通貨について、どの仮想通貨業者においても、きちんと弁済原資が用意されるようになるなら、ユーザーとしては、万が一のときも安心です。

 実際にホットウォレットで保管されている仮想通貨がどのくらいの量なのかは、各業者の取引量の規模や仮想通貨の種類によって異なってくると思いますが、流出リスクに備えた弁済原資の用意が義務化されるとなると、少なくとも現状よりは、各仮想通貨交換業者にかかる資金面での負担は大きくなるはず。

 先ほど、楽天やLINE傘下の仮想通貨交換業者の参入が近いかも…などとお伝えしましたが、楽天やLINEほどの大企業が母体とまではいかずとも、今後は、これまで以上に資金面などでも体力のある業者でなければ、新規参入が難しくなるのかもしれません

 一時は100社超とも報じられていた登録審査待ちの業者も、絞り込まれていくことになりそうです。

■盗まれた仮想通貨が日本円で返ってくるのは違和感

 話を戻して、過去の不正アクセスによる仮想通貨の流出事件を振り返ってみると、2018年1月に起きたコインチェックでの仮想通貨流出事件では、NEM(ネム)が流出したワケですが、コインチェック被害顧客に対してネムのまま返還せず、ある時点のレートを用いて円換算し、日本円で返還しました。

【参考記事】
コインチェックでNEMの補償に伴う日本円返金。総額466億円! 一部サービス再開も

コインチェック、仮想通貨流出事件後、記者会見に臨む和田社長(当時)と大塚取締役(当時)

流出事件を起こしたコインチェックの和田晃一良社長(左:当時)と大塚雄介取締役(右:当時)。記者会見には、多くの報道陣が押し寄せ、世間の注目度も高かった。最終的に流出した仮想通貨は、ある時点のレートで円換算し、日本円で被害顧客に返還。その額、およそ466億円!  (C)Kyodo News/Getty Images

 zaifについては、流出した3種類の仮想通貨のうちBTC(ビットコイン)とBCH(ビットコインキャッシュ)については仮想通貨のまま返還しましたが、MONA(モナコイン)については、一部が日本円での返還となりました。

【参考記事】
流出事件のZaifはフィスコ仮想通貨取引所に吸収!テックビューロは廃業へ。70億円分の補償は?

 報告書によると、仮想通貨の代わりに金銭などで弁済原資を確保するという方法にも検討の余地は残しているようですが、今後もし、制度的に「弁済原資(同種・同量以上の仮想通貨)の保持を義務付け」となれば、流出した仮想通貨に相当する額の日本円での返還ではなく、仮想通貨は仮想通貨のまま返還するというのが原則となります。

 たしかに、仮想通貨が盗まれたのに、なぜ日本円になって返ってくるのか? 何も返ってこないよりはマシとはいえ、円転レートの有利・不利はどう割り切ればいいのか? 税金はどうなるのか? といった疑問は、コインチェック事件のときもzaif事件のときも感じた人がいたのでは?

 記者の感覚としても、仮想通貨は仮想通貨のまま返す方が自然であるように思います。

 一部報道によると、金融庁は、この「弁済原資(同種・同量以上の仮想通貨)の保持を義務付け」を含む報告書の提言を踏まえ、2019年1月の通常国会において、資金決済法と金融商品取引法の改正案提出を目指すとのこと。

 もし、法改正が行われたとしても、施行はまだずいぶん先だと思いますが、研究会から提出された報告書の提言がベースとなって、仮想通貨をめぐる諸規則は大きく変わっていくのかもしれません。

 法令改正という大きな話にもつながっており、なんとなく縁遠い話のように聞こえるかもしれませんが、こうした諸規則の整備は、わたしたち一般ユーザーが安心・安全に仮想通貨サービスを利用するということに直結してきます。

 今後の動向に注目しましょう。

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