■英ポンド/円はサインどおりに上昇
当然のように、主要クロス円の中では、英ポンド/円のパフォーマンスが一番目立つ。英ポンド/米ドルと同様、英ポンド/円のリバウンドも事後的なファンダメンタルズの解読より、プライスアクションのサインから想定しやすかったので、1月17日(木)のレポートをもって説明したい。以下は本文。
ポンド/円は切り返しの余地を拓いているかと思う。昨日の高値、昨年11月高値を起点とした全下落幅の38.2%反騰位置(約140.65)を打診、またGMMAにおける抵抗ゾーン(長期線グループ)に一旦トライ、目先の軟調のように、切り返しを完成させた疑いもあるが、昨日安値を下回らない限り、幾分上値余地を更に拓けるかとみる。
もっとも、3日のクラッシュ以降、ほぼ切り返しを継続してきたが、15日英議会離脱案審議や否定で作った足型がもっとも大きなサインを点灯していた。同サインの点灯に鑑み、目先の上値打診がまだまだ初歩段階に過ぎず、目先の抵抗ゾーンを一旦ブレイクがあってもおかしくないと推測される。
15日の安値、7日以来の安値をすべて一旦下回ったにもかかわらず、終値が高く、また当日高値が2日高値を一旦超えていたから、強気「リバーサル」や「アウトサイド」のみでは、事実上の「フェイクセットアップ」のサインとして読み取れる。同サインに対する理解が正しければ、これから年初来高値更新を図り、昨年11月高値を起点とした全下落幅の半分戻し(約142.75)に照準できるかとみる。もちろん、打診があっても紆余曲折が想定され、一直線なトライも容易ではなかろう。この意味では、目先の反落を同シナリオの一環と見なす。
その後の値動きは、下のチャートで示したとおり。「フェイクセットアップ」のサインが効いた上に、その後、「インサイド」のサインを形成し、上放れを果たして目先の高値打診につながったわけであり、英ポンド高の可能性は高かった。
(出所:FXブロードネット)
■米ドル/円の頭打ちは後ズレする公算大
クロス円の英ポンド/円は、英ポンドの切り返しのみでなく、米ドル/円のリバウンドにも依存することは言うまでもないが、現時点の米ドル/円は、1月17日(木)の英ポンド/円に似ているところが多い。
結論から言えば、米ドル/円の頭打ち、また、反落を予想する声が多いが、筆者は一段高の可能性が大きいのではないかとみる。
換言すれば、米ドル/円の頭打ちは早晩みられるとみるものの、それは今ではなく、後ズレする公算が高い。この辺の検証はまた次回、市況はいかに。
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