■本邦機関投資家の運用難で円売り継続
一方、米ドル/円は、大きな動きはないものの、111円台で底堅い動き。
これは、おもに国内機関投資家の円売り需要に支えられている模様。
【参考記事】
●3月期末絡みの本邦勢の米ドル買い旺盛!? 米ドル/円は、じりじり115円を目指す展開へ(3月7日、西原宏一)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
友人によれば、国内の機関投資家向けのセミナーは現在、極めて活況。
それは、国内機関投資家の運用難によるもののようです。
そこで、海外の資産運用会社が国内機関投資家向けに提供しているセミナーが、極めて頻繁に開催されているようです。
海外の資産運用会社とは、ブラックロックやベイリーギフォードといったところ。
こうした、資産運用会社が提供する商品は当然、国外の商品が多数。
特にテクノロジー系の会社が多いようで、たとえば、アマゾン、フェイスブック、アルファベット(グーグルの持ち株会社)、NVIDIA、テスラ、米系以外だと、百度、テンセント、アリババといったところ。
こうしたフローは当然、外貨買い、円売りの流れとなります。
結果、現時点では国内の機関投資家からの円売り需要は極めて旺盛のようです。
加えて、昨年(2018年)、マーケットで注目を集めた武田薬品工業によるアイルランド製薬大手シャイアーの買収(※)のような大型買収の案件が2019年も旺盛なようで、こうした案件からも円売りが持ち込まれている模様。
(※武田薬品工業によるアイルランド製薬大手シャイアーの買収。6兆円以上の大型M&A(買収・合併)が成立した)
【参考記事】
●武田薬品の英シャイアー7兆円大型買収の行方に注目! 巨額の英ポンド買いの噂も?(2018年4月26日、西原宏一)
結果、米ドル/円はボラティリティは伴わないものの、底堅い展開が続いており、110.00円が極めて重要なサポートとなっています。
前述の英ポンド/米ドルが、「ノーディールブレグジット」懸念の消滅によって暴落懸念が薄れているのであれば、英ポンド/円が150円を超える可能性も高まっています。
【参考記事】
●EU離脱を巡る再国民投票の可能性浮上! 英ポンド/円は節目の150円突破も視野に!?(2月28日、西原宏一)
(出所:Bloomberg)
国内機関投資家からの円売り需要が活発化し、115円に向けて底堅く推移している米ドル/円の動向に注目です。
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