■株は急落したが、トルコリラは弱いながらも下落せず
今週(10月14日~)のトルコリラですが、対円では相変わらず18円台前半で推移していて、弱いながらも大きく下落していません。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 4時間足)
一方で、トルコの株式市場は10月14日(月)に急落しました。

(出所:Bloomberg)
トルコ政府は、昨年(2018年)のトルコリラショック以降、ロンドン市場でのトルコリラの流動性を枯渇させ、トルコリラを売りにくくしているので、昨年(2018年)のようにトルコリラの暴落が起きなくなっています。
一方で、トルコリラ需要の高まりを受け、トルコ株が大きく売られるという事態が発生してしまいます。
■軍事作戦の行方を見守り、慎重なスタンスで
前回のコラムでも言ったように、トルコの軍事作戦はどこまで続いて、今後どのような展開になるか、まったく予想できません。
【参考記事】
●シリア北部から米軍撤収で戦争リスク警戒! トルコリラ/円は18円台前半へ下落…(10月9日、エミン・ユルマズ)
クルド勢力はシリア政府に助けを求め、シリア政府軍が地域に戻る可能性が高まっているので、軍事作戦の構図が、トルコ対クルド勢力というより、トルコ対アサド政権になりかねません。
【参考記事】
●トルコ人エミン氏がズバリ直言。シリアよ、落ち着け!その時トルコリラは逆に動き出す
トルコの軍事作戦は最初から間違っているので、トルコ軍の早期撤退が望ましいところですが、与党は軍事作戦を背景に支持率を高め、イスタンブール市長選での敗北後に加速した党内の分断に歯止めをかけようとしています。
【参考記事】
●イスタンブール市長再選挙は与党大敗! エルドアン政権弱体化で解散総選挙も…!?(6月26日、エミン・ユルマズ)
トルコリラに関しては、引き続き慎重なスタンスが必要で、トルコの軍事作戦の行方を見守る必要があります。
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