■米利下げはいったん終わり。米株高も息切れか
さて、政治状況はこれぐらいにして、景気動向、金融政策を見ていきましょう。
現在、米国の代表的な株式指数は、連日、史上最高値を更新しています。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
これは、FRB(米連邦準備制度理事会)が3回連続で利下げを実施してきた影響が、今も続いているということだと考えています。
そうすると、この先のFRBの金融政策がどうなっていくかが気になるところですが、それに関して、パウエルFRB議長は11月13日(水)、上下両院合同経済委員会で証言しました。
その中で、パウエル議長は、「景気に関する最新情報が我々の見通しとおおむね一致する状況が続く限り、現行金融政策のスタンスは引き続き、適切となる可能性が高いだろう」と述べています。
その一方で、「ただし、この見通しに対し、留意すべきリスクは残る」とも述べています。
つまり、先月まで3回連続で政策金利であるFFレート(※)の誘導目標を0.25%ずつ引き下げてきましたが、これでいったん終わりです。
(※編集部注:「FFレート」とは、フェデラルファンド金利のことで、FF金利とも呼ばれる。米国の政策金利)
11月13日(水)にパウエルFRB議長が上下両院合同経済委員会で証言した内容を受けて、先月まで3回連続で行われた米利下げがいったん終わると今井氏は見ている (C)Bloomberg/Getty Images News
しかし、まだ、経済がさらに悪化するリスクはあるので、それが現実化してきたときは、また考え直すということを言っているわけです。
そうなると、株式市場は、当面、金融政策の面で崩れることはないとは思うものの、そろそろいったん息切れをしてもおかしくないかなと思います。
■米ドル/円は108円台前半でロングにしたい
日銀も新たなフォワードガイダンスなるものを発表しましたが、正直、何を言いたいのかよくわからない内容です。これでは、市場は反応できないと思います。
ECB(欧州中央銀行)もラガルド新総裁になって、まだ安全運転を続けています。
そう考えると、やはりまだ方向感のないレンジ相場は続いてしまいそうだなと思います。
米ドル/円も、一時109円台にしっかり乗っていましたが、これだけ米国の金利が下がってくると、やはり上昇にも限界が出てしまいます。
引き続き、米ドル/円、ユーロ/円でのレンジトレードが有効ではないでしょうか。米ドル/円は108円台の前半があれば、ロングにしたいところです。
(出所:TradingView)
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