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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

110円超えの米ドル/円は当面、押し目買い。
ユーロ/米ドルは、上がれば売りが良さそう

2020年01月17日(金)12:40公開 (2020年01月17日(金)12:40更新)
今井雅人

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■米中が第1次合意。懸念材料が1つ消滅

 1月15日(水)、米中は貿易に関しての第1次合意をしました。ようやく、という感じです。

 今回の内容は、簡単に言えば、中国が米国から農産物などを大量に購入する代わりに、米国は中国への追加関税を見送るというものです。11月の大統領選挙に向けて実績をアピールしたいトランプ米大統領が、かなり妥協をした結果だと思います。

【参考記事】
2020年の注目材料とトレード戦略はコレ! オリンピック後の景気後退は都市伝説!?(1月9日、今井雅人)
2019年の為替市場を総まとめ! 米中貿易摩擦とブレグジット問題は、2020年も続く!?(2019年12月27日、今井雅人)

トランプ米大統領と習近平・中国国家主席の写真

1月15日、米中は貿易に関する第1次合意で署名に達した。今井氏は、その内容から、大統領選挙に向けて実績をアピールしたいトランプ米大統領が、かなり妥協をした結果ではないかと指摘。写真は2019年6月の大阪G20時のもの (C)Visual China Group/Getty Images

 もちろん、中国の企業への補助金政策など、根本的な問題に対しては先送りですし、これまで課してきた関税もそのまま残っていますので、まだまだこれからという面はあります。

 しかし、合意は合意です。これで、1つ、金融市場が心配していた懸念材料が、当面はなくなったと考えるべきだろうと思います。

■株高を心配しすぎる必要はない

 実際のところ、米国の株式市場では、主要株価指数が連日、史上最高値を更新しています。

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:Bloomberg)

 これだけ、連日、上がり続けると、ちょっと心配になったりもするのですが、今は、あまり心配しすぎないようにしたほうが良いのではないでしょうか。

■米国とイランの緊張もいったん収束

 米国がイランの軍事司令官を殺害したことで、一時、不安材料となった米国とイランの関係悪化ですが、イランが形だけの報復として米国の軍事基地をミサイル攻撃し、これ以上はやらないと宣言したことで収まりました。

 両国の関係は、悪化した状態のままではありますが、いったん、緊張は収まったと考えて良いと思います。

【参考記事】
2020年の注目材料とトレード戦略はコレ! オリンピック後の景気後退は都市伝説!?(1月9日、今井雅人)
イラン戦争の心配はイランかった!? 出た~! 米ドル/円に調整完了のサイン!(1月10日、陳満咲杜)
イランと米国による戦争回避で株価反発! リスクオフ沈静化で豪ドル買いに妙味!?(1月9日、西原宏一)

■米ドル/円は当面、押し目買いで!

 さて、リスクオンの動きが広がっていることで、為替市場も円安傾向になっています。

世界の通貨VS円 4時間足
世界の通貨VS円 4時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足

米ドル/円は、なかなか抜くことができなかった110.00円を超えてきました。最初に110円を超えたときは、さすがに輸出企業の米ドル売りや利食いの米ドル売りが出てきて、いったん109円台に戻りましたが、その後、下押しもそれほどではなかったこともあって、また110円台に戻ってきています。

【参考記事】
米ドル/円は年末年始にかけて110円へ!? EU離脱で2020年の英ポンドは下落か(2019年12月19日、今井雅人)
米ドル/円は上昇するチャートパターンに! でも、米中署名後は方向感なく推移する!?(1月14日、バカラ村)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 これからですが、この相場は大きく崩れることはないと、私は考えています。

 一気に111円、112円と向かっていく相場ではないかもしれませんが、よほど不測の事態が起きない限り、下に抜けていくような相場ではないと思いますので、当面、米ドル/円の押し目買い方針で、トレードをして大丈夫ではないでしょうか。

■FRBが政治的配慮で利下げ!?

 その他の通貨では、米ドル高の傾向にはなっていません。

米ドルVS世界の通貨 4時間足
米ドルVS世界の通貨 4時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足

 ということは、現在は米ドル高相場というよりは、円安相場であるということです。

 その背景には、トランプ米大統領のFRB(米連邦準備制度理事会)に対する利下げ圧力があるのかもしれません。

 先日も、トランプ大統領は、「パウエルFRB議長を任命したのは間違いであった」と、公然と批判しています。簡単に言えば、もっと利下げをしろということです。

 もちろん、FRBは、独立性を担保している組織ですが、大統領選挙の前ですので、どこかで政治的配慮もあって、利下げをする可能性も残されています

パウエルFRB議長の写真

トランプ大統領に「任命したのは間違いであった」と、公然と批判されたパウエルFRB議長。FRBは独立性を担保している組織ではあるが、トランプ大統領の圧力もあり、どこかで利下げをする可能性も残されていると、今井氏は予想している (C)Bloomberg/Getty Images News

■ユーロ/米ドルの1.12ドル近くは売りが良さそう

 そういう思惑が、米ドル全体の上値を抑えているのかもしれません。そのため、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドルなどでは、米ドル高になっていません。

ユーロ/米ドル 4時間足
ユーロ/米ドル 4時間足チャート

(出所:TradingView

英ポンド/米ドル 4時間足
英ポンド/米ドル 4時間足チャート

(出所:TradingView

 ただ、最近、ドイツの景気があまり良くありませんので、ユーロの上値も限られています。ユーロ/米ドルは、1.1200ドル近くの水準まで上がる局面があったら、ショート(=売り)にいっても、おもしろいのではないかと考えています。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView


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