■株価反発は短期間で暴落した反動にすぎない
先週(3月16日~)から今週(3月23日~)にかけての動きを見てみますと、今週に入ってからは、世界的に株式市場が急反発しています。
米国が2兆ドルの経済対策を打ち出したことを始めとして、各国が大規模な経済対策を打ち出していることなどが好感され、株式市場が反応しているわけです。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
ただ、もっと単純に言ってしまうと、株式市場を含め、さまざまな金融市場が短期間に暴落しすぎてしまったので、大規模な経済対策の打ち出しを材料にして、その反動が出ているだけのことだと思います。
■恐る恐るの経済運営は続きそう
ここで忘れてはならないのは、ウイルスに国境はないということです。
最初に感染が広がった中国では、新型コロナウイルスの感染者数が、急激に減ってきています。おそらく、中国は抑え込みに成功しているのではないかと、私は考えています。
(出所:世界保健機関)
しかし、その一方で、他の国では今、まさに急激に感染が広がっています。
(出所:世界保健機関)
今、感染の広がりが激しいのは、欧州、米国ですが、仮にそれが落ち着いても、今度はアフリカ、南アメリカと、次々に続いていきます。
そうすると、せっかく落ち着いた国も、2次拡大の恐れがありますので、恐る恐るの経済運営を続けざるを得ません。
つまり、世界的に経済活動が正常に戻るのに、相当、時間がかかるのは、ほぼ確実だということです。
【参考記事】
●これは、リーマンショック以上の危機!! 世界的な米ドル不足で米ドル全面高に(3月19日、今井雅人)
●新型コロナの影響は最短でも数カ月続く。米ドル/円は、戻りがあれば必ず叩き売り!(3月12日、今井雅人)
●新型肺炎は中国の問題から世界的な問題へ。米ドル/円は105円程度まで下落の可能性も(2月28日、今井雅人)
■反発終われば、じわじわとした弱気相場へ
そうであれば、企業業績は、今後もかなりの期間、落ち込むということになってくるでしょう。
当然、株価にはマイナスなわけですから、今、起きている株式の反転は、それまでの反動程度のものであって、あくまでも一時的と考えるべきだと思います。
ある程度の反発が終わると、今度は、じわじわとした弱気相場になるのではないかと予想しています。
(出所:Bloomberg)
新型コロナウイルス危機の最初は暴落、それが一巡すると、暴落への反動からの上昇、そして、それが落ち着くと、実体を反映した落ち着いた相場展開に向かう、という流れになってくるというイメージです。
さて、そこで為替相場ですが…
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