米感謝祭にやってきた「オミクロン」。世界の金融市場は一変
みなさん、こんにちは。
先週(11月22日~)の金曜日から、世界の金融市場は一変。
それは、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の登場。
先週(11月22日~)の金曜日は、米国では感謝祭の日でしたが、のちに「オミクロン」と呼称された新型コロナウイルスの変異株の報道で、マーケットは急激なリスクオフに見舞われました。
WHO、新変異型「オミクロン」と命名 警戒最大に
出所:日経新聞
このオミクロンの報道が、流動性の薄い米国の感謝祭の日にされたことにより、多くの参加者はリスクオフに備え、何らかのヘッジをしなければいけません。
運悪く、米国市場は感謝祭で多くのプロダクツの流動性は極めて悪化している状態でした。
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ヘッジ対象に選ばれた日経平均は、2000円強の暴落
そこでヘッジに選ばれたのが日経平均でした。
その時点で、日本でオミクロン株が拡大したわけでもなく、日本政府がロックダウン(都市封鎖)を宣言したわけでもありません。
ただ前述のように、マーケットはリスクオフに備えて、流動性の高いなんらかのプロダクトでヘッジしなくてはいけません。
そこで多くの参加者は、一斉に流動性の高い日経平均を売りに回ります。
結果、日本企業になんら異変が起きたわけでもありませんが、11月25日(木)以降、日経平均はあっという間に2000円強暴落しました。
(出所:TradingView)
加えて、11月30日(火)には、モデルナ社のチーフが、既存のワクチンがオミクロンで苦戦するとしたとのFT(フィナンシャルタイムズ)のコメントで、マーケットはさらに混乱。リスクオフの流れが加速する中、米10年債利回りは一気に1.4104%まで急落。
米金利の反落に追随し、米ドル/円も一転して、一時112.53円まで急落しました。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
マーケットはオミクロンの恐怖からリスクオフ一色の流れに突入しました。
パウエルFRB議長が「インフレは一過性」の表現撤回。オミクロンよりもインフレを懸念か
このような環境下では、FRB(米連邦準備制度理事会)のスタンスは再びハト派的になると想定するのが、マーケットのコンセンサス。
ところがパウエル議長が、「インフレは一過性との主張に無理があることを認めた」との報道で、一時マーケットはパニック状態に。
パウエル議長「一過性」の表現撤回-早期利上げの可能性に道開く
出所:Bloomberg
パウエルFRB議長がインフレは「一過性」との表現を撤回したと報じられ、一時、マーケットはパニック状態になった (C)Bloomberg/GettyImages
このパウエル議長のコメントを見ると、前述のモデルナ社のCEOのコメントは懸念していないようです。
つまり、直近、原油相場が下落していますが、インフレが沈静化するわけではないと考えているため、テーパリング(※)の加速を決めたというわけです。
(※「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
視点を変えれば、オミクロンよりもインフレを懸念しているともいえます。
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オミクロンパニックは極端に悲観に走りすぎたか。急激な円高は、円ショート(売り)を構築する好機に
それでは、ここでファイザーのブーラCEOはどう考えているのかを確認してみましょう。
ファイザーのCEO “100日以内に新ワクチンも”
出所:NHK web
ファイザーのブーラCEOのコメントを見ると、日経平均が一気に2000円も暴落したのは、極端に悲観に走りすぎたといえます。
(出所:TradingView)
加えて、ゴールドマンサックスはオミクロンパニックを「今回の変異はより悪質である可能性は低く、ポートフォリオを変更する理由はない」と非難している模様。
こうした報道からは、オミクロンパニックは、極端に悲観に走りすぎたのではないかともいえます。
マーケットの報道によれば、この先、1週間強で、ファイザーからなんらかの発表があるようです。
仮にファイザーが否定的な見方をすれば、年末に向けてマーケットは本格的なリスクオフに傾斜する。
一方、ファイザーの発表が肯定的だった場合、リスクアセットは大きく踏み上がる可能性があるのではないかと想定しています。
本稿執筆時点では、多くのマーケット参加者は、ファイザーの発表を待っているといった展開。
ただ世界はファイザーの発表を待つも、2022年にインフレがやってくることは変わらず。
現在の急激な円高は、円ショート(売り)を構築する好機だと想定しています。
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