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 ECBは予想通りに25ベーシスの利下げを決定した。これはあまりにも織り込み済みのことだったので、金融政策の変更という割にはマーケットに取ってはノーインパクトだった。肝心のユーロドルも50ポイントも動かない。

 注目されたのはラガルド総裁の会見である。それによって今後の利下げペースを測ろうというのだ。マイルドな連続利下げを表明することも期待されたが、発言内容からは追加利下げの可能性については積極的な言及なしだった。確かにまだインフレターゲットをした回っていないのだから、データ次第だと言うしかない。インフレが十分におさまる見通しだけでは怪しいものだ。

 次は総選挙後のイギリスの金利動向に関心が移る。一時期は他の欧州諸国に比べてもひどいインフレ率を呈していたイギリスだが、その高いレベルから比べると最近のデータは落ち着いてきていると見られる。政権交代が起これば中央銀行としても独立性を主張してフリーハンドを得やすくなるのも確かだ。
 
 今夜は雇用統計である。先週あたりから出てくる経済指標は米経済のスローダウンをうかがわせるものが並んだので、どうしても今回の雇用統計でも利下げ期待に添うような悪い結果が出ることが待たれているような気がする。就業者数は予想では18万人の増加くらいが見込まれているが、これが低めにでても既に織り込んでしまっているということで反応は限定的だろう。

 面白いのは過度に良い結果が出たときだ。それは年内利下げをかなり遅らせるだけでなく、見通せないインフレの粘着性を示唆するものとなって、より対処が悪いものとなってしまう可能性がある。激しい株安が起こるかもしれない。

日本時間 15時20分

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