昨日の東京時間ではドル円の復調が顕著であった。早朝のセッションでドル円は早々に154円台から脱し、その後は様子見を繰り返しながらも、155円台の後半まで進んでいる。その前日にはドル金利の低下の材料が並んだため、ドルをロングにしたくないという気持ちが強まったからだろう。そのドルに対する懐疑的な見方の分だけ、余計に目先の動きは軽くなってドル円はスルスルと上がったのだ。
私もドルをベア目で見ていたために、当然のことながらドル買いで望む勇気はなかった。ここまでの下げを見せつけられているので、ドル円を安直にロングにはしにくいのだ。海外市場ではドル金利はさらに低下したのだが、ドル円は156円台まで登っている。
昨日はカナダ中銀の金利会合があった。そして予想通りに25ベーシスの利下げを決定した。利下げ自体は予想通りであり、下げ幅も最小なのだから市場にインパクトは小さいのだが、これはスイスやブラジルなどに続き世界的な利下げモードの開始を示唆するだけに、その象徴的な意味合いは大きい。
とくにカナダがG7の国としては初めての利下げであり、これにECBやBOEが続くことが容易に想像されるのだ。ましてや来週にはアメリカ中銀の金利会合も控えている。
そのECB理事会だが、これも25ベーシスの利下げを完全に織り込んでしまっている。利下げしなかったら異常だと言う感じだ。問題はその後のラガルド総裁の見解だ。さらに引き続き連続で利下げをしていかないといけないほどのインフレ離れの姿勢を示すかどうか。もう年内の利下げはあっても1回くらいだろうと思わせるようなタカ派的な色彩の強い内容のものとなるか。
日本時間 15時00分
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