本日のNY市場におけるドル円は、米雇用統計に注目が集まるものの、市場全体の方向感を左右するのは、引き続き米・イランの和平交渉を巡る報道となりそうだ。また、政府・日銀による円買い介入への警戒感も意識されるだろう。
4月の米雇用統計は、失業率が前月から横ばいの4.3%、非農業部門雇用者数は17.8万人から6.2万人へ減少する予想となっている。市場では、イラン攻撃による影響を受け、企業の採用意欲が一段と後退する可能性が意識されているものの、短期的には「採用・解雇の双方を抑制する動き」が続くとの見方が優勢だ。サプライチェーンの混乱が第2四半期の景気に徐々に影響を及ぼし、企業が雇用拡大に慎重姿勢を強めるとの指摘もあるが、現時点ではまだ一部の見方にとどまっている。
仮に雇用統計が市場予想から大きく乖離した場合には、短期的な値動きを誘発する可能性がある。ただ、米連邦準備理事会(FRB)は足元で雇用よりもインフレ動向を重視していることから、雇用統計による影響は一時的な反応にとどまる公算が大きいだろう。
イラン情勢を巡っては、今週に入りトランプ政権から和平交渉進展に前向きな発言が相次いだ。しかし、市場ではトランプ大統領に対して、従来のTACOに加え、「NACHO(Not A Chance Hormuz Opens=ホルムズ海峡が開く可能性はほぼない)」との見方が広がっている。
ここ数日でWTI原油先物価格は下落したものの、米国内のレギュラーガソリン価格は依然として上昇基調を維持し、家計負担が強まる「異常水準」とされる1ガロン=4.5ドル台を上回っている。こうした状況を踏まえ、トランプ政権としては停戦維持を優先し、対イラン強硬姿勢をやや和らげる発言を続けている格好だ。
もっとも、イラン側が受け入れ可能な具体的進展は依然見られておらず、NACHO状態が継続する限り、原油高を通じたドル買い圧力が意識されやすいだろう。
政府・日銀による為替介入については、4月30日とゴールデンウイーク期間中に約10兆円規模の円買い介入が実施されたと試算されている。ただ、大規模介入にもかかわらずドル円の下落幅は5.68円程度にとどまり、2024年時の介入と比べても効果は限定的と言える。
本日もドル高局面では介入が警戒されるものの、足元のファンダメンタルズはドル高・円安方向を示しているため、仮に一時的に押し下げる場面があっても、その後は反動的なドル買い戻しが入りやすい地合いが続きそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、6日の介入前の安値157.54円近辺。その上は6日高値157.94円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、7日安値156.02円。その下は6日安値155.04円。
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