スペースXのIPOに、募集株数の4倍以上の需要! 「夢と実績の両方を持つ唯一の会社」なのか?
みなさん、こんにちは。
今週(6月8日~)、米国株の上値が重い要因のひとつがスペースX(SpaceX)のIPO(新規上場)です。
スペースXのIPOには、募集株数の4倍以上の需要が集まっているとBloombergが報じています。
さらに、ペルシャ湾岸諸国の政府系ファンドが数十億ドル規模の買い注文を出していることも話題に。サウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)とクウェート投資庁は、それぞれ10億〜50億ドル相当の株式取得を申し込んでいるようです。カタール投資庁も大口投資に踏み切る可能性が高いと言われており、AIインフラ投資を支える中東マネーの存在感の大きさに改めて驚かされます。
なぜ多くの投資家がスペースXのIPOに熱狂するのか? それはスペースXが「夢と実績の両方を持つ唯一の会社」と言われているからです。
オープンAI(OpenAI)やアンソロピック(Anthropic)は高成長ですが、大赤字でのIPO。ところが、スペースXはスターリンク(Starlink)の成功がAIの巨額支出を補充しているかたちです。
スペースXはスターリンクという年間114億ドル・利益率63%(※)の実ビジネスを持っています。 加えて、宇宙・AI・通信という夢を3つも売っているところに、投資家が熱狂している理由があります。
(※筆者注:利益率63%は減価償却・税金・利息を除いた調整後の利益率。一般的な営業利益率より高めの数字になっている(スペースXが米国証券取引委員会(SEC)に正式提出した目論見書より))
最大の隠れた材料が、QQQの自動組み入れです。
QQQとは、米国NASDAQ100指数に連動するETF(上場投資信託)のティッカー(銘柄コード)です。インベスコ社が運用し、世界中の投資家や年金基金が保有する超人気ファンドで、運用残高は約75兆円(4728億ドル)。
ナスダックのファスト・エントリールール(※)により、スペースXは上場後15営業日(7月初旬)で、ナスダック100指数に自動採用される見込みです。
(※ファスト・エントリールールとは、IPOした超大型企業をナスダック100指数に迅速に組み入れるために新設されたルールのこと)
これにより、QQQをはじめナスダック100指数連動ファンドは規則上、強制的にスペースXを買わざるを得ない需給が発生します。
なお、スペースXのIPOに参加するには、6月12日(金)の抽選日までに証券口座に資金を入れておく必要があります。その期日が迫っており、資金調達のための広範な株売りが出ているようです。
資金調達のために広範な株売りをするほどの魅力がある、スペースXのIPO。
前述のように、オープンAIやアンソロピックのIPOも控えており、AI相場はバブルどころかまだ入り口という意見もあります。
こうしたAI相場の熱狂をみると、通貨米ドルの優位性もまだ、かなり高いのではないかと考えます。
米ドル/円は160円台定着か。単独介入が入れば、米ドル買い余地を残していることがポイント
今週から来週(6月15日~)にかけて、ECB(欧州中央銀行)理事会、日銀会合(日銀金融政策決定会合)、FOMC(米連邦公開市場委員会)と重要な金融政策決定会合が続きます。
まず、本日(6月11日)のECB理事会では、0.25%の利上げがOIS(Overnight Index Swap、翌日物金利スワップ)で100%織り込まれています。結果が織り込みどおりなら、誘導目標金利は現行の2.00%から2.25%へ引き上げられます。
本日のECB理事会を終えれば、注目は来週の日銀会合、そして最大の注目材料であるFOMCへと移ります。
ユーロ/米ドルは、来週のFOMCでタカ派シグナルが出た場合、前回安値1.1411ドルをトライする可能性が高まるとみています。

(出所:TradingView(トレーディングビュー))
一方、米ドル/円は想定どおりじり高で、160.58円まで上昇してきました。
今年の高値160.72円(4月30日)付近に接近すると介入警戒感が払拭できず伸び切りませんが、6月9日(火)以降160.00円を割り込めなくなってきました。
介入はいつ入るのか? 政府・日銀は前回、マーケットのボラティリティが極めて低いときに大規模介入を始めました。米ドル/円のボラティリティを抑えるのではなく、160円水準の維持阻止を優先していることは、投機筋にも見透かされています。
今週の米ドル/円はボラティリティが低く、じわじわと円安に進んでいる展開。よって、ボラティリティがこれほど低い状況では、再び前回のようにいきなり介入を実施するのは難しい。
しかし、何も手を打たなければ米ドル/円はじりじりと上昇してくるため、政府・日銀もかなり追い込まれてきています。
来週、6月16日(火)の日銀会合では、0.25%の利上げがOISで97.3%織り込み済み。そのため、利上げしても円高要因とはなりません。
逆に、マーケットが利上げをほぼ織り込み済みの状況で利上げを見送ると、円安が加速してしまいます。
来週の日銀会合は大きな注目を集めていますが、植田和男総裁が肝嚢胞感染症の治療で入院したため、会合を欠席すると発表されました。
議長は氷見野良三副総裁が、終了後の記者会見は内田真一副総裁がそれぞれ代理を務めます。 植田総裁は書面で意見を提出しますが、議決には参加しない予定です。なお、仮に可否が4対4の同数になった場合は、議長が決することになります。
植田和男総裁もかなりの重圧の中でのお仕事は大変だろうなと思わせる報道です。
先週の強烈な米雇用統計を受け、米金利がじりじり上昇する中、米ドル/円も162円に向けてじり高に推移するとみます。よって米ドル/円のロングはキープ。
単独介入が入れば、米ドル買い余地を残していることがポイントでしょうか。

(出所:TradingView)
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!で人気の西原宏一さんと、ザイFX!編集部がお届けする有料メルマガ、それが「トレード戦略指令!(月額:6600円・税込)」です。
「トレード戦略指令!」は10日間の無料体験期間がありますので、初心者にもわかりやすいタイムリーな為替予想をはじめ、実践的な売買アドバイスやチャートによる相場分析などを、ぜひ体験してください。















![ヒロセ通商[LION FX]](/mwimgs/9/7/-/img_975127cf2c6be2ac1a68a003ef3669c022946.gif)








株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)