みなさん、こんにちは。
■米ドル/円は当面、上値では売りが出てきそう
難しい相場展開は、相変わらずです。
米ドル/円は2月16日(水)に、米国の住宅指標の改善などが好感されて83.98円まで上昇しましたが、84.00円のオプションが意識され、防戦売りで上値がしっかりと抑えられています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
日本の輸出企業の売りもあるようですから、米ドル/円は当面のところ、上値では売りが出てきそうです。
■日本のCPIはプラスに転じているとの試算もある…!?
さて、先週のコラムで各国のインフレについて取り上げましたが、今週もインフレについて、みなさんと考えてみたいと思います(「欧州や英国で顕著になってきたインフレ。市場の関心は利上げの行方に集まりそう」を参照)。
2月15日(火)に発表されたイギリスの消費者物価指数(CPI)は、市場予想どおりとは言え、前年同月比で4.0%とかなり高くなっています。
イギリスの中央銀行であるイングランド中央銀行(BOE)はインフレ目標を定めていますが、その目標・中央値の2倍の結果となってしまったために、BOEのキング総裁は政府への書簡でインフレ抑制策を説明することとなりました。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:欧州主要経済指標の推移)
また、ユーロ圏のCPIも、前年同月比で2%を超える水準になっています。
これに対して、日本はまだまだ…と思いがちですが、どうも高校無償化の影響を除けば、CPIはプラスに転じているとの試算もあるとか…。
■最近のインフレ傾向はもう少し続きそう
インフレの問題は、先進国だけではなく、新興国でも同じように起こっています。特に中国はそれが顕著で、2月8日(火)に1年ものの預金金利と貸し出し金利を0.25%引き上げることを決めました。
これはいわゆる「金融引き締め策」であり、預金準備率も併せて、並行して上げているため、中国は積極的な金融引き締めを行っていると言えるでしょう。
また、資源国通貨は経済がしっかりしているものの、同時にインフレのリスクも併せ持っていると考えられます。
今週は、オーストラリア準備銀行(RBA)の金融政策委員会の議事要旨が発表されましたが、そこでは「やや引き締め気味の金融緩和は依然として適切と判断した」としています。
積極的に利上げをするという姿勢は見せなかったものの、引き締めた状態を維持するべき局面であると言っているわけです。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国政策金利の推移)
ちなみに、個人的には、オーストラリアは今年の春先あたりに再び利上げを行う可能性が高いと考えています。
足元で起きているインフレ傾向は、資源価格の高騰や新興国での景気拡大が寄与しているということは言うまでもありません。この流れはもう少し続くと考えています。
■今年の為替相場は、最終的には円安方向へ進んでいく
以上、ここまで述べてきたことを踏まえて、今後の為替相場の動きを考えてみましょう。
私は今のところ、今年の為替相場は、最終的には円安方向へ進んでいくと思っています。
どうしても、日本より諸外国のほうが利上げを行うのが早くなりそうであり、比較すれば円以外の通貨が買われて、結果として円安が進むという見方です。
ただ、新興国では利上げなどの引き締めを積極的に行うことで、景気減速への圧力がかかります。したがって、株価上昇は全体的に緩慢となるでしょう。
そうなると、円相場は株価と連動しやすいため、円安の動きはあくまでも鈍いものになるといったシナリオを、今のところは頭の中でイメージしています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨 vs 円 日足)
また、先週のコラムにも書いたように、市場の関心が「利上げ」に向かうとなれば、ある程度は政策金利についての当局の動きが見えてこないと、相場は動きようがありません(「欧州や英国で顕著になってきたインフレ。市場の関心は利上げの行方に集まりそう」を参照)。
今すぐに円安に向かうというのではなく、あくまで最終的な方向という考えで、相場を見ておきたいと思います。
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