今週は、オーストラリア準備銀行(RBA)の金融政策委員会の議事要旨が発表されましたが、そこでは「やや引き締め気味の金融緩和は依然として適切と判断した」としています。
積極的に利上げをするという姿勢は見せなかったものの、引き締めた状態を維持するべき局面であると言っているわけです。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国政策金利の推移)
ちなみに、個人的には、オーストラリアは今年の春先あたりに再び利上げを行う可能性が高いと考えています。
足元で起きているインフレ傾向は、資源価格の高騰や新興国での景気拡大が寄与しているということは言うまでもありません。この流れはもう少し続くと考えています。
■今年の為替相場は、最終的には円安方向へ進んでいく
以上、ここまで述べてきたことを踏まえて、今後の為替相場の動きを考えてみましょう。
私は今のところ、今年の為替相場は、最終的には円安方向へ進んでいくと思っています。
どうしても、日本より諸外国のほうが利上げを行うのが早くなりそうであり、比較すれば円以外の通貨が買われて、結果として円安が進むという見方です。
ただ、新興国では利上げなどの引き締めを積極的に行うことで、景気減速への圧力がかかります。したがって、株価上昇は全体的に緩慢となるでしょう。
そうなると、円相場は株価と連動しやすいため、円安の動きはあくまでも鈍いものになるといったシナリオを、今のところは頭の中でイメージしています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨 vs 円 日足)
また、先週のコラムにも書いたように、市場の関心が「利上げ」に向かうとなれば、ある程度は政策金利についての当局の動きが見えてこないと、相場は動きようがありません(「欧州や英国で顕著になってきたインフレ。市場の関心は利上げの行方に集まりそう」を参照)。
今すぐに円安に向かうというのではなく、あくまで最終的な方向という考えで、相場を見ておきたいと思います。
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