注目は理事会終了後のトリシェ総裁のコメントです。
マーケットは、年内に3回程度の利上げが行われることをほぼ織り込んでいます。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国政策金利の推移)
マーケット参加者の利上げ予測が的を射たものなのか、それとも利上げを織り込みすぎているのか、トリシェ総裁の発言で判明するわけです。
つまり、トリシェ総裁の発言の中に、どのような「トリシェコード(利上げへの暗号)」が含まれているのかがポイントです。
3月の理事会後の会見におけるコメントの中には「strong vigilance(強い警戒)」というワードが含まれていました。
これは次回会合での利上げを示唆するもので、25bpの利上げが確実視され、為替マーケットでユーロが買い進まれるという流れになりました。
ただ、これに加えて、3月の会見では「利上げ局面入りしているわけではない」という言及がありましたので、今回は「strong vigilance」というワードは含まれないと考えられています。
大方の予想では、2カ月後の利上げを示唆する「monitor very closely」か、もしくは、利上げの可能性を示唆する「monitor closely」というワードが含まれると見られているようです。
■ユーロ/円は調整後に再び上昇を開始する展開か
4月6日(水)の海外市場でも、ユーロ/米ドルやユーロ/円は大きく買い進められています。
ただ、トリシェ総裁のコメントがよほどの「hawk(タカ派)」なものでなければ、ユーロ/米ドルやユーロ/円はいったん利益確定の売り圧力がかかる可能性もあるため、要注意です。
いわゆる「BUY THE RUMOR, SELL THE FACT=噂で買って事実で売る」ですね。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
友人のヘッジファンドも、オプションのポジションはキープしていますが、ユーロ/米ドル、ユーロ/円のロング(買い持ち)は大幅に縮小し、トリシェコメントを待っているといったところです。
一方で、原油が底堅く推移していることもあり、ユーロに対しての円安の流れは変わらずです。
トリシェ総裁のコメントしだいで、ユーロ/円は大きく調整する可能性もありますが、調整後は再び上昇を開始すると考えています。
4月7日(木)のトリシェ総裁のコメントに注目です。
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