みなさん、こんにちは。
今週もまずはヨーロッパに関する話題を見ていきましょう。今週はヨーロッパの要人発言が比較的目立っていました。
■EFSFの規模拡大が焦点に
9月26日(月)は、ECB(欧州中央銀行)関係者の話として「ECBはカバードボンドの購入再開を検討している」「10月6日の次回理事会では1年物融資の討議や、利下げが討議される可能性がある」と伝わりました。
また同日、ノボトニー・オーストリア中銀総裁が「欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模拡大は正しい」と述べています。
翌日、9月27日(火)には、ベニゼロス・ギリシア財務相が「融資は10月に承認されるだろう」と述べました。
フェクター・オーストリア財務相は「EFSF(欧州金融安定ファシリティー)のレバレッジ計画について、来週月曜日の10月3日に協議する」と発言しています。
また、ECB理事会メンバーのマクチ・スロバキア中銀総裁は「ECBによる1年物融資に肯定的」との見方を示しました。
このほか、メルケル・ドイツ首相は「ギリシャの目標達成のため、支援の用意がある」「EFSFの機能拡充をめぐる議会採決で、連立与党が過半数票を獲得できると確信している」などと述べたと伝わりました。

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■ギリシャ・デフォルトの可能性はあるのか? ないのか?
このようにギリシャに対してポジティブな発言が続いたことで、ユーロ/米ドルは少し持ち直しの動きを見せています。1.3700ドル手前まで値を伸ばす場面もありました。
しかし、ギリシャの10年債利回りに目を向けてみると、一時25%台まで上昇。その後は落ち着いているものの23%程度での推移が続いています。
これは、市場はまだギリシャのデフォルトは可能性として十分ありえる。問題は解決していないと考えているということです。
少しユーロが買われたとしても、決して安心してはいけないでしょう。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
■中国が減速すると、グローバル経済も厳しい状況に
そして、もう1つの問題は中国です。
株価を見ると、緩やかではありますが、中国の株はジリジリと売られています。他国の株価が安値圏でもみ合っていることと比べると、だいぶ弱いのではないかとの印象を受けます。

世界経済をこれまで牽引してきた中国が減速しているとなれば、グローバル経済も厳しいでしょう。
世界経済が厳しくなると、債権国の通貨は買われやすくなるため、円には引き続き円高圧力がかかります。
ただ、NYダウは安値圏に位置しているものの、強烈な売り材料が出てきたわけでもないために、安値圏での低空飛行に入ってきました。大きく崩れることもなく、安値圏での動きを見せています。
そうなってくると、米ドル/円やクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)もダウ同様に、低空飛行となってしまうのではないでしょうか。
自分の中である程度のレンジを想定し、その値幅の中でレンジディールを行うのが、今の相場では有効な戦略になってくると思っています。
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