■FOMCが金融緩和の長期継続を決定!
先週の1月24日から25日にかけて、米国でFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されました。
政策金利は市場の予想どおり、据え置きとなったのですが、その後の声明がマーケットの注目を集めるものでしたので、ちょっと見てみたいと思います。

特に注目されたのは、これまで「例外的な低金利を2013年半ばまで正当化する可能性が高い」としていたのですが、これを「例外的な低金利を2014年遅くまで正当化する可能性が高い」という内容に変更したことです。
これはいわゆる「時間軸の強化」と言われるもので、要するに、金融緩和を予定したよりももっと長く続けますよ、ということなのです。
■為替相場では米ドル安が進むと予想される
1月はじめに発表された雇用統計が予想より強かったりしていたので、今回の金融緩和の長期化は、ちょっとしたサプライズになりました。
その結果として、米国金利は低い状態が続くとの見方から、金利は下落していますし、金利が低い状態が続くことは株価にとってはポジティブな材料となるので、株価は上昇しています。
さらに、金融緩和は市場に通貨がたくさん流通することで、通貨価値が下がると見られるために、為替相場では米ドル安が進むと予想されます。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
■FRBは依然、米国経済に慎重な見方をしている
また、今回のFOMCで、FRB(米連邦準備制度理事会)米国経済に対して、依然として慎重な見方をしていることがわかりました。
特に、そのことがはっきりわかるのが、米国の経済予想です。
実質GDP(国内総生産)について、2011年11月に発表した予測よりも、2012年、2013年ともに下方修正しているのです。今回の声明の変更は、この見通しを踏まえたものと言えるのではないでしょうか?
今週(1月30日からの週)に入ってから発表されている、ADP(オートマティック・データ・プロセッシング社)雇用リポートや、ISM製造業景況指数などが予想を下回る弱いものが続いていることも、FRBの見通しを証明するような形になっています。
■米ドル安が進みやすいが、ユーロ/米ドルは例外だ
このような状況になってしまうと、米ドル安圧力が引き続き継続することになってきます。
米ドル/円相場は、1月25日に78円台半ばをつけてから上値が重くなっています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
現在は少し動きが鈍くなっていますが、再び売り進んで、史上最安値に迫る展開も十分あり得ると考えておきたいと思います。
そのほかの通貨についても、米ドル安が進みやすいでしょう。ただ、1つ例外だと考えているのはユーロ/米ドルです。
ギリシャ問題をはじめとする欧州債務問題が、まだ解決していません。最近ではポルトガルの金利が上昇するなど、新たな火種もありそうです。
このような状況ですから、いくら米ドル安が進みやすいといっても、ユーロ/米ドルについては、ユーロ安と米ドル安の綱引きになってしまうのではないでしょうか?

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
こちらについては、ちょっと難しい局面に入ってきていると思います。
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