ＥＵ首脳会議で、“鉄の女”が折れた！？
市場は安定してきたがまだユーロは売り！

2012年07月05日(木)18:20公開 (2012年07月05日(木)18:20更新)

今井雅人

しかし、それでは、イタリアやスペインの財政赤字を拡大させることになり、各国の国債の金利が上昇するという悪影響を招く可能性があるということが懸念されていました。

ユーロ/米ドル４時間足

そこで、いろいろ検討の結果、今回の案になったということですが、これによって財政赤字を拡大させることなく公的資金の注入ができるため、両国の国債市場にとっては、金利上昇を抑制する効果が期待できるということです。

（３）は、現在の欧州金融安定基金（ＥＦＳＦ）を活用して、各国の国債市場を支えようとするものです。

これも長期金利の上昇抑制効果が期待できる対策です。

■“鉄の女”ドイツのメルケル首相が折れた！

（２）と（３）のうち、特に（２）に関しては、ドイツの「鉄の女」メルケル首相が非常に消極的でしたので合意できるかどうか疑問視されていましたが、結局メルケル首相が折れた形となりました。

今回のイタリア、スペイン問題があまりに深刻なので、鉄の女もさすがに仕方がないと思ったのだと思います。

こうした合意を受けて、金融市場はさらに安定感を増してきています。

スペインの10年物国債の利回りは、一時７％台にまで上昇していましたが、現在は６％そこそこ程度にまで下落してきています。

欧州の株式市場を筆頭に、各国の株式市場にも良い影響が出てきています。

ただ、何度も繰り返しますが、欧州の状況がこれで一気に解決するわけではありません。

実体経済がかなり悪くなっています。特に失業率がひどい。直近のユーロ圏の失業率は11.1％と過去最悪となってしまいました。

ユーロは買えません。引き続きユーロ売りの戦略を基本としておきたいと思います。

さて、ちょっとしたご案内になりますが、最近、為替商品の中でも、バイナリーオプション（通称：ＢＯ）の人気が高まってきているそうです。簡単に言ってしまうと、上か下か（米ドル/円、クロス円（米ドル以外の通貨と円との通貨ペア）であれば円安か、円高か）を当てるだけというとてもシンプルな金融商品です。

私の会社マットキャピタルマネージメントでも、ＢＯの取引に役立つような商品の開発に力を入れているところで、近いうちに、みなさんの前にお出しできるかと思います。

【バイナリーオプションに関する参考記事】
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