■日本は、恒常的な貿易赤字に…
次に、日本の貿易構造の変化に注目したいと思います。最近発表された国内貿易統計2012年9月分をご紹介します。
統計によると、輸出は5兆3598億円で、対前年同月比-10.3%の減少となり、4カ月連続の減少です。
一方、輸入は原油などエネルギーの輸入増の影響で、5兆9183億円と前年同月比4.1%の増加となっています。その結果、差引額は-5586億円となり、貿易赤字となっています。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:その他地域主要経済指標の推移)
金額にはバラつきがありますが、貿易赤字は恒常的になってきています。
【参考記事】
●米ドル/円やクロス円で押し目買い検討!豪ドル/円は、80円近辺で拾ってみては?(9月27日、今井雅人)
■経常収支の黒字額が減って、円高圧力は弱まっている
中身を見ると、EU(欧州連合)向けの輸出が、前年同月比で-21.1%と大幅な減少となっています。
また、アジア向けの輸出は、前年同月比-8.3%と、こちらも大きく減少していますが、特に目立っているのが対中国です。前年同月比-14.1%となっています。
現在の日本は、所得収支が毎月1兆円あまり、年間では十数兆円の黒字と、安定的に大幅な黒字基調が続いています。そのため、貿易収支が赤字となっても経常収支は、当然恒常的に黒字傾向となっています。
しかし、経常収支の黒字額全体が減ってきていることは事実で、円高圧力が弱まっているということになります。
■米ドル/円、クロス円は、少し円高になったら円売り戦略で
さらに、先日、日銀の政策決定会合に前原国家戦略担当大臣が自ら出席したように、政治サイドからの日銀への追加の金融緩和要請も、日に日に高まっています。
白川総裁も何らかのアクションを取らざるを得ない状況になってきました。
こうした背景をよく理解した上で、トレードの戦略を立てていくべきでしょう。米ドル/円、クロス円どちらでも良いですが、少し円高になったところを円売りしていく戦略を維持したいと思います。
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