■米財政問題の次のテーマは? 9月FOMC振り返り
先週のコラムでお伝えしたとおり、米国の財政問題についての危機は回避されたというより、2014年に持ち越しとなりました。
【参考記事】
●台風一過で米国デフォルトひとまず回避。レンジは逆張り。豪ドルは押し目買いを!(10月17日、今井雅人)
そのテーマにいったん決着がついた後は、市場の関心が再び9月に開催された米国のFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果に向いているように見えます。
繰り返しになりますが、9月のFOMCでは、「(金融政策を変更するにあたっては)今後数カ月経済指標などの状況を見る必要がある」との見方が示されていたため、当面現在の金融緩和政策が維持されるとの見方が広がりました。
【参考記事】
●米FOMCを読み解く3つのポイントとは?ドル全面安もドル/円97円台は堅いとみる(9月19日、今井雅人)
■米ドル安と株高による若干の円安が続いている
それを受けて、米国の株式市場は基本的には堅調に推移し、為替市場では、米ドル安と株高による若干の円安という状況が続いています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)

(出所:米国FXCM)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
対ユーロ、対英ポンドなど、主要通貨に対しては米ドル安が進んでいるものの、米ドル/円に関しては、円安要因との綱引き状況となって、まったく方向感がなくなっている状況にあります。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
10月29日(火)、30日(水)とFOMCが開催されますが、9月の声明文の内容から見れば、今回のFOMCでも現状維持だろうという判断となります。そうであれば既定路線でもあり、金融市場への影響もさほどないでしょう
年内は、この政策が維持される可能性が高まっていると感じています。
■10月23日に起こった株価急落と円高の原因は?
その一方、短期的には少し動きが出てきています。昨日10月23日(水)の金融市場では、これまでの流れが一転して主要国の株が急落し、為替市場でも円高が進みました。ただし、米ドル安の傾向はそのままです。
このきっかけとなったのが、中国の短期金利の動向です。
中国では、先日発表された7-9月期のGDPが年率で7.8%と予想を上回ったことやインフレ傾向が続いていることを踏まえて、金融政策をやや引き締め方向に向けることを金融当局が示唆しています。
こうした意向を受けて10月23日(水)の中国市場では、代表的な短期金利である7日物のレポレートが0.47%上昇し、4.05%となりました。4%という金利水準を考えれば1日で0.5%近く上昇するというのは、かなりの変動であったため、これを嫌気して株が下落。その結果、連鎖反応的に円高になった、という動きでした。

(出所:株マップ.com)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
■中国短期金利動向は落ち着いて、当面はレンジ相場に
かなりの変動幅であったとはいえ、中国の短期金利の動きでこれだけ、世界の金融市場に影響が出てしまうというのは、もちろん中国への関心が高いということもあるとは思いますが、それまで、株高が進んでいたこともあって、ややポジション調整の理由付けに使われた、という面が否めません。
基本的に金融市場そのものが方向感を見出せていないことの証左でしょう。中国の短期金利の動向も落ち着いてくる公算が高く、今後のトレンドを形成するような材料ではありません。
やはり当面は、レンジ相場が続くという見方を維持しておいたほうが良さそうです。
先週(10月14日~)から、日本では臨時国会が開会しています。安倍総理はこの国会を成長戦略国会と位置づけていますが、法案の内容を見ると、抽象的な内容となっているものが多く、一段の株高を誘発するような内容は見受けられません。その評価は、2014年に持ち越されることになりそうです。
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