■豪ドルに注目するプレイヤーは?
前述のように、原油急落をきっかけにグローバルに金融緩和合戦が続いています。その結果、世界的にマイナス金利を導入する国が珍しくない状況下、主要国の中で、通常の金利が付く通貨は数えるほどしかなくなってきました。
こうした中、イールド(利回り)を必要とするプレイヤーが着目するのが豪ドル。
過去のコラムでご紹介したように、2015年に利下げが予測されていた豪ドルは終始軟調な展開。そして、2月にはRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])は利下げを決行し、豪ドル/米ドルは急落。豪ドル/円も一時、89円台まで急落しています。
【参考記事】
●ギリシャがユーロ離脱ならユーロ/米ドルは0.9ドルへ!? 日本の年金が豪ドルを下支え(2月10日、西原宏一&松崎美子)
(出所:米国FXCM)
■豪ドル/円にM&A絡みの買いが入ったとのウワサも
しかし、利下げで急落した豪ドルに向かって、本邦サイドから断続的に豪ドル/円の買いが持ち込まれたことから豪ドル/円は急反発。
(出所:米国FXCM)
これは、日本郵政によるオーストラリアの物流最大手企業、トール・ホールディングスの買収による豪ドル/円の買いが持ち込まれたのではないかとウワサされています。
加えて、中長期の投資家にとって重要視されてきたのが豪ドルの金利。各国でマイナス金利が増えている状況下、さらなる利下げが行われたとしても、オーストラリアの政策金利は2.00%。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国政策金利の推移)
リーマンショック前であれば、2.00%というのは低金利なのですが、マイナス金利が増えている現状では、主要通貨の中で、2.00%は立派な高金利となっています。オーストラリアは国債の格付けも最高ランク。
スイスショックから始まり、ギリシャ問題も一時的に沈静化し、為替マーケットではボラティリティが低下。こうした低ボラティリティ環境も豪ドルにとってポジティブです。
【参考記事】
●通貨安戦争からスイス脱落、カナダ参戦! ECBのQEが予想どおりならユーロ反発も(1月22日、西原宏一)
●日経平均とドル/円の相関は壊れたのか? ユーロ/ドルは下に吹っ飛ぶ可能性も!?(2月24日、西原宏一&松崎美子)
RBAによるもう一段の利下げが予測されているため、押し目を狙いたいところですが、グローバルな金融緩和の状況下、株が堅調に推移することを背景とした豪ドル/円の反発に注目です。
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