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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

フランスがユーロ圏・EU離脱(Frexit)!?
ユーロ/ドルが1000pips下落するとの予想も

2015年06月25日(木)18:47公開 (2015年06月25日(木)18:47更新)
西原宏一

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■米ドル/円は122円台での攻防に注目

 みなさん、こんにちは。

 米ドル/円は6月5日(金)の米雇用統計の好結果を受け、125.86円まで急騰。その後、6月10日(水)の黒田総裁の円安けん制コメントをきっかけに、一転、122.48円まで急落しました。

【参考記事】
ドル/円は一時、122円台半ばへ急反落! ドル高をけん制した米当局の目的とは?(6月11日、西原宏一)

 過去2年間の米ドル/円は、突然、ボラティリティが上昇し、短期間で急騰した後、急速にもみ合いに入る傾向があります。

米ドル/円 週足

(出所:米国FXCM

 今回も、118円で底入れした米ドル/円は、わずか3週間で7円もの急騰を演じた後、122~125円のもみ合い相場となっています。

米ドル/円 日足

(出所:米国FXCM

 日経平均が続伸していることから、現状、米ドル/円も122円台での底堅さを維持。でも、仮に122.00円を割り込むと、時間ではなく、値幅での調整幅が深くなります

 米ドル/円は、122円台での攻防に注目です。

■ギリシャ政府の選択肢はあまり多くない

 ギリシャ政府が6月22日(月)に提出した改革案が前向きであったことをマーケットは好感し、独DAXを筆頭に、グローバルに株が反発。

 ただ、リスクオンとなっても、通貨であるユーロは買い進まれるどころか反落しています。

  ユーロ/米ドル 1時間足

(出所:米国FXCM

 これは、ギリシャ問題に対するマーケットのコンセンサスが背景にあります。

 ギリシャのチプラス首相がいろいろと発言していますが、ギリシャ政府の選択肢はあまり多くありません。

 結局は、ギリシャ側が譲歩して、最終的に事態が収束に向かう可能性が高いというのがマーケット参加者のコンセンサスとなりつつあります。

【参考記事】
ギリシャ破綻か、今週が本当のヤマ場!支援合意でユーロ下落のシナリオも…(西原宏一&松崎美子)

 そのため、リスクオフを想定したユーロショートのポジションがじわじわと縮小しています。

IMMユーロポジション

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

 上の画像でもわかるように、ユーロショートは大幅に縮小しています。

 しかし、結果として、マーケットの思惑に反して、仮にデフォルトや、「Grexit」(ギリシャのユーロ離脱)のような、強い負荷がマーケットにかかると、多くの参加者はヘッジとしてのユーロを再びショートにせざるを得ない環境に陥ってきてしまうのです

■マーケットで話題の「Frexit」とは?

 ギリシャは、まだデフォルト懸念が色濃く残っていますが、本日(6月25日)のマーケットで話題となったのが「Frexit」(フランスのユーロ圏とEU離脱)というワード。

「マダムFrexit」の世界観-フランスもギリシャ後に離脱

2017年のフランス大統領選挙の有力候補であるマリーヌ・ルペン氏は、ギリシャのユーロ圏離脱(Grexit)は不可避だと考えている。そして、自分が決めてよいものならフランスもあまり後れを取ることなく、ギリシャに続くと言う。

極右の国民戦線(FN)を率いる同氏はパリ近郊にある同党本部で23日インタビューに応じ、ギリシャについて「数カ月の猶予を得たが、問題は戻ってくるだろう」とした上で、「今日私たちはGrexitについて話しているが、明日はBrexit(英国の欧州連合=EU離脱)、そしてあさってはFrexitだ」とフランスのユーロ圏離脱に言及した。

出所:Bloomberg

 このルペン氏の意見は極端であり、そもそも彼女の当選の可能性は低いのですが、「Grexit」はまだしも、「Frexit」なる言葉も飛び出し、マーケットはさらに神経質な展開に。

■合計1000pipsの下落をゴールドマンサックスが予想!?

 加えて、可能性としての話ですが、仮にギリシャがデフォルトしたとすると、その後のユーロの方向性について、ゴールドマンサックスが興味深いレポートを顧客向けに出している模様。

With respect to EUR/USD, we think the Bund sell-off increases EUR/USD downside if tensions over Greece escalate further. This is because the ECB, including via the Bundesbank, would almost surely step up QE to prevent contagion.We estimate that the immediate aftermath of a default could see EUR/USD fall three big figures. The ensuing acceleration in QE would then take EUR/USD down another seven big figures in subsequent weeks," GS adds.

出所:Forexlive

 これは、仮にギリシャがデフォルトとなった直後には、ユーロ/米ドルは300pips急落するというもの。加えて、ギリシャのデフォルト対策として、ECB(欧州中央銀行)がQE(量的緩和策)を大幅増額すれば、ユーロ/米ドルは数週間のうちに、さらに700pips下落するかもしれないとのこと。

 このレポートもマーケットをさらに神経質にさせています。

■ユーロ/円は140円台トライも上値重く、下値余地が拡大

 前述のように、ギリシャ問題の収束の可能性を背景にユーロの買い戻しが進み、今月(6月)に入って毎週、ユーロ/円は140円の大台をトライしています。

 しかし、2014年12月8日高値149.78円と2015年4月14日安値126.08円の下落幅の61.8%戻しとなる140.73円に、ことごとく上値を抑えられ、徐々に上値が重くなっています。

ユーロ/米ドル 週足

(出所:米国FXCM

 「Frexit」なるワードも飛び出し、ギリシャ問題は依然混迷を深めています。

 前述のように、リスクオフに備えて、多くの参加者が長期に渡ってキープしていたユーロショートのポジションも大幅に縮小。

仮にギリシャのデフォルトとなり、マーケットに強い負荷がかかってリスクオフとなれば、ユーロ/円が急落する可能性が濃厚

ユーロ/円 日足

(出所:米国FXCM

 混迷を深めるギリシャ問題と、下値余地が拡大したユーロ/円の動向に注目です。


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