■スイスショックの被害受けたアルパリジャパンはどうなった?
2015年年初にFX業界を震撼させたスイスショック。ギリシャ問題やこのところの人民元ショックで、すっかり遠い昔の出来事のように感じられますが、あれからまだ7カ月あまりしか経っていないんですね…。
【参考記事】
●ユーロ/スイスフランが約3800pips大暴落!スイス中銀が防衛ラインの撤廃を発表!
●スイスショックで借金の悲劇!個人投資家を直撃、裁判への動きも…
スイスフランという通貨が日本にあまりなじみのない通貨だったおかげで、日本のFX会社が直接破綻に追い込まれることはありませんでしたが、カバー先でもある親会社が破綻してしまい、実質営業停止となってしまった外資系FX会社がありました。
そう、アルパリジャパンです。
【参考記事】
●スイスショックでアルパリUKが破綻!スイスフラン大暴騰で損失をカバーできず
●プライスが消えた…。現役インターバンクディーラーが語ったスイスショックの瞬間
顧客の資産は全額保証されたものの、サービスはすべて停止。ウェブサイトはそのまま残っていましたが、会社からのお知らせは2015年2月24日(火)を最後に更新されず、音沙汰なしの状況が続いていました。
■デューカス・コピー・バンクがアルパリジャパンを買収!
ところが、先日8月5日(水)に、久しぶりに「お知らせ」が更新され、「ホームページのメンテナンスを実施いたします」との情報が!
これは何かある!?と思っていた矢先、翌日8月6日(木)には「デューカスコピー・バンク、アルパリジャパン株式会社の株式100%を取得。いよいよ日本市場に参入!」というプレスリリースが出されました!
デューカスコピー・バンクは、スイスのジュネーブに本社を置く金融機関。FXをはじめ、貴金属取引、CFD、バイナリーオプション、ネットバンキングなどのサービスを展開しています。
日本居住者も口座を開設することができた時期もあったようですが、現在は口座開設できなくなっています。その理由は、今回のアルパリジャパン買収にあるようです。
デューカスコピー・バンクのウェブサイトによると、「日本に居住される方は現在、Dukascopy Bank SAにて口座を開設することができません。アルパリジャパン株式会社の買収手続き完了後、弊社は日本に居住されている方に対して新たにデューカスコピー・ジャパン株式会社の名前にてサービスを開始する予定です」とのこと。
アルパリジャパン改めデューカスコピー・ジャパンの営業開始予定は2015年10月。日本居住者の口座開設は、それまでちょっとおあずけ、ということですね。
(※編集部注:デューカスコピー・ジャパンは2015年11月2日(月)より、営業を開始しました)
■独自プラットフォーム「JForex」って? 気になるMT4は?
デューカスコピー・バンクといえば、「JForex」という独自のプラットフォームが最大の特徴ではないでしょうか。
JForexは、自動売買も裁量取引も行えるプラットフォーム。自動売買のためのストラテジーは、自分で作ることもできるし、ダウンロードして入手することもできます。
自分で作る場合も、専門的なプログラミングの知識は必要なく、パワーポイントに画像を貼りつけていくような要領で必要な素材を並べていくと、ソースコードが生成されるしくみになっています。
そして、デューカスコピー・ジャパンでも、もちろんこのJForexプラットフォームが採用されるそうなのですが、そうなると、元アルパリジャパンユーザーとしては気になるのが、メタトレーダー(MT4)利用の可否ではないでしょうか。
アルパリジャパンのメタトレーダー(MT4)口座は、スプレッドの狭さや1000通貨単位からの取引が可能なことで、メタトレーダー(MT4)ユーザーに人気がありました。
【参考記事】
●アルパリジャパンの乗り換え先口座を調査。ドル/円0.3銭原則固定のMT4口座とは?
デューカスコピー・ジャパンでは、そのあたりはどうなっているのかと調べてみると、デューカスコピー・バンクのウェブサイトに「MT4 プラットフォームへのブリッジ機能(サードパーティー開発)」という項目が。
それによると、デューカスコピー・バンク自体はメタトレーダー(MT4)のサポートはしていないものの、サードパーティの提供するしくみを介すれば、メタトレーダー(MT4)をJForexの接続先であるスイスFXマーケットプレイスにつなぐことができるようです。
デューカスコピー・ジャパンでの扱いがどうなるのかは、今のところ発表されていませんが、アルパリジャパンのプレスリリースで、「最も洗練され、世界的な取引プラットフォームのJForexで新たなスタートの機会を得られたことをとても光栄に思います。JForexは日本のトレーダーの方々にとって刺激的なニュースになると信じています」とCEOの田代氏が述べていることもあり、JForexもかなり期待できる取引ツールなのではないでしょうか。
日本のFX業界に、新たな旋風を巻き起こすかもしれませんね。
なお、アルパリジャパンのウェブサイトはまだそのままなのですが、facebookの方は早々に「デューカスコピー・ジャパン株式会社」に変更されています。
カバー写真の犬のイラストは、デューカスコピー・ジャパンのマスコットだそうです! さすが外資系、日系FX会社のゆるキャラとはちょっと雰囲気が違いますね(笑)。
以上、アルパリジャパンの今後についてお知らせしました。これからいろいろと情報が更新されていきそうですので、目が離せませんね。こちらのコーナーでも注目していきたいと思います!
(ザイFX!編集部 上岡由布子)
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