非課税が課税…税制改正に潜む円高リスク。
年末に外債が売られ、円買いが進むかも？

2015年12月10日(木)16:31公開 (2015年12月10日(木)16:31更新)

今井雅人

■南アフリカランド急落！不安定な通貨への投資は…

それとは別に、昨日12月９日（水）に話題になったことと言えば、南アフリカランド/円の急落です。

南アフリカランド/円１時間足

昨日、南アフリカのネネ財務大臣が突然解任されるという出来事が起きて、南アフリカランドが急落しました。

私は、以前からこうした不安定な通貨への投資はやめた方が良いと常に否定的に言っていますが、改めてそのことを強調しておきたいと思います。

最後に１つ気になる特殊要因をご紹介したいと思います。

政府は、来年2016年度の税制改正の中で、公社債などの売却益に対して、来年から上場株式と一律で20％を課税する方針を固めました。

公社債の中には、国債や地方債に加えて、外債も含まれます。

現状、これらに対する利子には課税されていましたが、売却益は非課税とされていました。このことが税の公平性の観点から問題であると従来から指摘をされていました。今回はそれを是正するというものです。

ここ数年、円安が続いているので、為替差益が出ている外債がたくさんあると思いますが、これを来年以降売却すると20％の税金がかかり、2015年なら払わなくても良いということになれば、今年のうちに売却して利益を確定してしまおうと投資家が思うのは当然です。

世界の通貨VS円月足

たとえば、外貨建てＭＭＦなどは、2015年10月末時点で２兆2000億円程度の残高があります。まだ市場では話題になっていないようですが、こうしたことから、ひょっとすると年末にかけて円買いが進むかもしれないので、注意をしてもらいたいです。

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