■円高加速のカギを握る2つのポイントとは?
相場環境もリスクオフ要因には事欠きません。「原油価格の低迷、中国のサーキットブレーカー制度の導入とわずか4日後の停止、中東情勢の混迷、北朝鮮の水爆実験報道」とリスクオフ要因満載。
【参考記事】
●ソロスも警告するリーマンショック再来はあるのか? その鍵を握るのは米国株…!?(1月12日、西原宏一&松崎美子)
この「株安・円高」が加速するのか、いったん調整を迎えるかを占う上で、2つのポイントに注目しています。まず、当コラムで頻繁に取り上げているNYダウ。
【参考記事】
●2カ月で16円暴落!ポンド/円は想定どおり急落! 株安・円高のカギはNYダウが握る(1月7日、西原宏一)
昨年(2015年)のチャイナショック時は、1万7000ドルを割り込んで下落が加速したのは記憶に新しいところ。その局面では、200週移動平均線で踏みとどまって反発しました。
(出所:CQG)
ただ、その反発後も1万8000ドルは回復できず、2016年開始早々、再び1万7000ドルを割り込んできました。
今回の局面でもNYダウの200週移動平均線に注目。本稿執筆時点でのNYダウの200週移動平均線は1万5472ドルに位置しており、仮にこのレベルを割り込むと株の暴落を誘引する可能性があるので要注意です。
(出所;CQG)
もうひとつのポイントは米ドル/円の75週移動平均線。
アベノミクス開始以降、米ドル/円は75週移動平均線で長期に渡ってサポートされてきましたが、今週(1月11日~)、このサポートを割り込みつつあり、米ドル/円の下落余地が拡大するかどうか、注目されています。
(出所:CQG)
■ジョージ・ソロスはリーマンショック再来を危惧
2016年年初からのリスクオフ相場の中、世界的に有名な投資家、ジョージ・ソロスも、経済危機の可能性に言及しています。
ソロス氏、世界の市場は2008年のような危機に直面-用心が必要
世界の市場は危機に直面しており投資家は大いに用心する必要があると、富豪のジョージ・ソロス氏が警告した。
スリランカのコロンボで開かれた経済フォーラムで7日に語ったソロス氏は、中国が新たな成長モデルを見つけるのに苦戦しており、人民元の切り下げが問題を世界中に飛び火させていると分析。金利の動向は新興国・地域に難題を与えると指摘した上で、現在の環境は2008年に類似していると付け加えた。
年初の株式市場は波乱に見舞われ、6日までに世界で時価総額約2兆5000億ドル(約294兆円)が失われた。
ソロス氏は「中国は調整に関して大きな問題に直面している。私に言わせれば危機と呼んでいいものだ。金融市場には深刻な難題が見られ、私は2008年の危機を思い出す」と語った。
出所:Bloomberg
【参考記事】
●ソロスも警告するリーマンショック再来はあるのか? その鍵を握るのは米国株…!?(1月12日、西原宏一&松崎美子)
世界の市場は危機に直面していると警告する著名投資家のジョージ・ソロス氏。現在の環境はリーマンショックの起こった2008年と類似しているそうだ。これはかなりヤバイ状況なのかも…
写真:AP/アフロ
多くのマーケット参加者が危惧したとおり、2016年は「株安・円高」の波乱のスタート。前述のソロスのように、リーマンショック再来を危惧している専門家も増えてきており、2016年は英ポンド/円を筆頭としたクロス円、米ドル/円ともに円高の加速を警戒です。
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