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太田忠
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

マイナス金利はなぜ逆効果だった?急落の
米ドル/円は桜の咲くころ、110円台打診!?

2016年02月05日(金)17:19公開 (2016年02月05日(金)17:19更新)
陳満咲杜

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■眠れぬ日々が続くのはミセス・ワタナベとあの方!

 ミセス・ワタナベは日本個人投資家のアダナであるが、今週(2016年2月1日~)のミセス・ワタナベは、よく眠れない日々を過ごしてきただろう。株安に円急騰、日銀がマイナス金利を導入して間もないだけに、ショックも大きいかと推測される。

前回のコラムで筆者が強調していたのは、マイナス金利導入でも昨年(2015年)以上の円安はあり得ないということだが、マイナス金利の効果は今週(2016年2月1日~)に入って以来、1回も確認できない。

【参考記事】
ソロスが“孫子の兵法”で中国政府を翻弄? マイナス金利導入でも昨年以上の円安なし(2016年1月29日、陳満咲杜)

 円高への巻き返しが急激に進んでおり、先週(2016年1月29日)の日銀政策がもたらした円安効果をすべて帳消しにし、さらにそれ以上の円高が進んでいるのが目下の状況だ。ここまでの展開には円高派の筆者でも驚きを禁じえない。マーケットは常に我々の意表を突く存在であることに、改めて感心しているところだ。 

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足

 愕然としているのは、もちろんミセス・ワタナベたちのみではなく、米ドル高に賭けていたヘッジファンドの面々も然り。それに、よく眠れないと言えば、“あの方”もそうではないかと推測される。“あの方”とはほかならぬ、日銀総裁の黒田さんだ。

 金融手段のイノベーションが無限と豪語した黒田総裁は、自分で「二枚舌」を意図的に演出してまで、サプライズを講じるのに腐心していたにもかかわらず、その効果は1日で終り、かつマーケットの「報復」にあった

 QQE(量的・質的緩和策)、QQE2に比べ、金融政策の波及効果どころか、その反対の状況を引き起こしているのであるから、重い責任を負う覚悟がもちろんできているのではないかと思われる。

■マインド悪化を防ぐには株高・円安が必須

 実際、本コラムを含め、筆者が繰り返し強調してきたことを理解できれば、黒田さんの政策は効かないばかりか、逆効果のリスクが大きいことを察することができる。

 すなわち、アベノミクス自体、目標(物価水準)はまったく達成していないものの、株高・円安でマインドの改善は促進され、それによってアベノミクスは支持されてきたわけだ。そして、マインドの改善は株高・円安とリンクしていることは見逃せない。換言すれば、株高・円安が逆転すれば、マインドが再び悪化していくことが容易に推測される。

 こういうことを黒田さんほどよくわかっている人はいない。マイナス金利の導入、あるいはこれからのマイナス金利拡大で、物価水準が達成できる保証はどこにもない。予想達成時期も何回か先延ばしにされてきたから、再度修正される公算が大きい。しかし、それでもQQEにこだわっているのは、株安・円高への逆転をどうしても阻止し、マインドの悪化を止めたいからだ。

■マイナス金利政策は「王様の裸」を隠すための「新しい服」

 言ってみれば、インフレターゲットがこれから達成されるぞと言い続けるには、株高・円安の環境が必要だ。そうでないと、皆が一斉に「王様は裸だぞ」と言い出すから、収拾がつかなくなる。

 言い方は悪いが、マイナス金利政策は黒田さん、あるいはアベノミクス自体が裸であることを隠すための「新しい服」にすぎない。

 しかし、マーケットは厳しい目を光らせ、時には少年のごとく真実をずばり言う。だから、今週(2月1日~)の市況は「王様は裸だ」と言っているような値動きなのだと思う。そう言われたら、いくら王様とはいえ、夜よく眠れるわけがない。

 結局、日銀政策にしても、アベノミクスにしても…

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