■米ドル/円は107円台へ! その後、反動で円安方向へ…
先週(4月4日~)から、今週(4月11日~)にかけての動きですが、米ドル/円が110円を割れてから市場は過熱感を見せ、一気に107円台に突入する局面がありました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
日本株も円高につられる形で下落し、日経平均も、一時は1万6000円を割り込む展開を見せていました。

(出所:株マップ.com)
その後、公的年金による日本株の買いが入ったりして、日本株が持ち直すのに歩調をあわせて、円安方向に向かってきています。
公的年金とは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)ではなく、今回は、地方の共済などが、おもな買い手になっているのではないかと市場では言われています。
2016年4月に入ってからの、円高のスピードが速すぎたことへの反動が起きていると考えています。
■ここから反転していく流れにはならないだろう
たしかに、現在は落ち着いているように見えますが、ここから反転をしていくという流れにはならないと思っています。
ひと言で言えば、反転する要因がないからです。
現在の日本の景気状況は、雲行きが怪しくなってきているという状態。リーマンショックの時のような激しい景気後退は起きていませんが、なんとなく景気が良くないという状況でしょうか。
その他の各国の景気状況を見ても、非常に悪いわけではありませんが、徐々に弱くなってきているという状況です。
中国経済の先行きを心配する声もありますが、私は、急激な景気後退が起きる可能性は極めて低いと思っています。
一進一退を繰り返しながら、徐々に成長率が落ちていくという流れに入っていると思っています。
現在、こうした状況を打開する材料が、まったく見当たりません。
■G20で円高を止めるような合意は困難か
4月14日(木)~15日(金)まで、ワシントンで行われるG20(20カ国地域財務相・中央銀行総裁会議)では、為替問題が議論されるかもしれませんが、日米欧の思惑が交錯しているので、円高を止めるような合意は難しいと思います。
もし、あるとしたら、4月27日(水)~28日(木)の日銀金融政策決定会合で、なんらかの追加金融緩和策が決定されるということぐらいでしょうか。
その場合は、いったん円安・株高の動きを見せると思いますが、それも一時的な影響に留まるのではないかと考えています。
■もしも、日銀会合でETF大量買いなどが決定されたら…
ただ、ETF(上場投資信託)の大量買い(一部では現在の買い取り枠3兆円を5兆円~10兆円にするとの思惑も台頭している)のような「禁じ手」を決めるようなことがあれば、それは別問題です。
まさか、将来に禍根を残すような選択はしないと思いますが、官邸からの強い圧力に屈して「禁じ手」に手を出せば、一時的には大きな影響が出ます。
つまり、かなりの株高、そして円安の流れを演出することができるのではないでしょうか。
しかし、そうなれば、もう日本は、開かれた資本主義国家とは言えなくなってしまうでしょう。
■米ドル/円の戻りは、しっかり売っていきたい
私自身も、米ドル/円のショートを108円近辺でいったん手仕舞いして様子を見ていますが、戻りはしっかり売っていきたいと考えています。
1つのメドとしては、やはり米ドル/円は、110円を割って下落スピードが加速したので、110円近辺というのが最初の売り場になるのではないでしょうか。
そこを上抜けるようなことがあると、次のメドは3月17日(木)の安値である110.669円近辺になるかな、と思っています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
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