■トレンドを作ると考えるのは早計。市場は、混沌…
さて、今後の展開ですが、これで事態は非常に混沌としたと思っています。
トランプショックを恐れて、大きく売りすぎた反動で、市場は急騰しました。しかし、それがトレンドを作るかと言えば、やや早計です。
まず、彼の外交手腕がまったく未知であることが不安材料です。NAFTA(北米自由貿易協定)のパートナーであるメキシコとの関係をどうするか?
日本に対しては、安全保障、貿易赤字問題にどう対応してくるか、まったくわかりません。
■TPPや経済政策にも先行き不透明感がある
また、日本では安倍政権が強行採決をしてまでも進めようとしているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)ですが、トランプ氏は米国がTPPから撤退することを明言しています。
米国がTPPを承認しなければ、この協定は成立しないしくみになっていますので、これも先行き不透明になってきました。
経済政策においても、不安はあります。米国の財政状況は、現在でも決して楽ではありません。そのような状況の中で、積極的な財政出動と減税は果たして両立できるのでしょうか?
少し落ち着いて考えてみると、まだ具体的な道筋が描けていないことがすぐにわかってくるでしょう。
米国の12月利上げも、今のところ市場の見方は分かれています。市場は、混沌とした状態に入ってしまうのではないかと思います。
■注目は、トランプ人事とFOMCの行方
トランプショックが、とりあえず一時的な混乱に留まったことで、急激な円高方向に向かうリスクは薄れました。
これにより、レンジ相場の中、米ドル/円、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の押し目買いをしてもそれほどリスクはない状況になってきました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
今後はトランプ氏の人事とFOMC(米連邦公開市場委員会)の行方に注目していきたいと思います。
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