■トランプ米大統領が、アベノミクスの「第1の矢」を批判
トランプ米大統領のやることに金融市場も困惑し、相場も非常にわかりにくくなっています。1月31日(火)、トランプ米大統領は、製薬業界の幹部との会合の中で、次のように発言しました。
「他国は、通貨やマネーサプライ、通貨の切り下げを利用し、我々を出し抜いている。中国や日本がこの数年でやってきたことを見てみろ。彼らは金融市場を利用している」
日本は2011年11月以来、為替介入をしていないので、日本がこの数年でやってきたことというのは、日銀の金融緩和であることは明白です。
つまり、トランプ米大統領は、日本は金融緩和を使って円安誘導をしてきたと、まさにアベノミクスの「第1の矢」そのものを批判したワケです。
この発言によって、米ドル/円では112.082円まで米ドル安・円高が進みました。
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■大統領になれば紳士的!? 淡い期待はもろくも崩れる…
しかし、これは実は選挙前から彼が言ってきたことなので、本当は驚くような話ではありません。
ですが、多くの人は、「トランプ氏は大統領になったら、もう少し紳士的になるのではないか」という淡い期待を抱いていました。その期待が、もろくも崩れています。
大統領になる前のトランプ氏。立候補を表明し、大統領選を戦っている時から、いろいろと物議をカモす過激発言をしてきた。大統領になれば…なんて淡い期待は、もう崩れている (C)Chip Somodevilla/Getty Images
難民やイスラム教徒の米国への入国制限などは、「本当にやるんだ」と世界中の人々を驚かせています。今回の為替に対する発言も、その驚きから市場が反応しているということでしょう。
■米国に言われる筋合いはない! 日米首脳会談に注目!
ただ、現実は少し違います。
大胆な金融緩和は、実は米国もやってきました。FOMC(米連邦公開市場委員会)はQE1(量的緩和策第1弾)からQE3(量的緩和策第3弾)まで大幅な金融緩和を実施してきました。
したがって、米国に言われる筋合いはありません。
このことを安倍総理が、しっかりトランプ米大統領にわかってもらえるのかが今後の焦点です。まずは、2月10日(金)の日米首脳会談。そこでの会談内容に注目しておきたいです。
ただ、相手はトランプ米大統領です。まともな理屈が通用するのか? 想像ができません。予断を持たずに、よく様子を見ておくことです。
さて、1月31日(火)-2月1日(水)にFOMCが…
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