■ユーロ/米ドルは1.18ドルが次のレジスタンスに
米ドル/円も111.00円レベルまで下落しましたが、日本はゼロ金利で固定されているので下落余地は限定的。米ドル/円は当面レンジ。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
結果、ユーロ/円は底堅いまま。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
次に、ユーロ/米ドル。
ユーロ/米ドルはECB(欧州中央銀行)がテーパリング(※)に向けて進んでいることに加え、FOMCがハト派であったことから、前述の1.1714ドルを超えてきました。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
以下は、ユーロ/米ドルの週足チャートです。
(出所:Bloomberg)
注目は200週移動平均線。ユーロ/米ドルは2年ぶりに、1.1714ドルを超えてきましたが、200週移動平均線が位置している1.1798ドル、つまり1.1800ドルが次のレジスタンス。
ユーロ/米ドルはこのレベルを超えるのに一定の時間がかかるかもしれませんが、ユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)の上昇トレンドは変わらず。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 週足)
そして、ユーロクロスの中でも、当コラムで何度かご紹介させていただいたとおり、もっとも注目しているのがユーロ/円。
【参考記事】
●日本がゼロ金利固定の間に欧州や米国は金利正常化へ! ユーロに優位性あり!(7月20日、西原宏一)
●強烈なレジスタンス突破したユーロ/円は135円へ! ドラギ総裁発言でユーロ急騰!(6月29日、西原宏一)
■ユーロ/円は最初のターゲット130円に到達。次は135円へ
そのユーロ/円は、当コラムでお伝えした最初のターゲットである130円に到達。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
過去のコラムでご紹介させていただいたように、ユーロ/円はフィボナッチのリトレースメントとエクスパンションがかなり重なっている、129~130円がいったんのレジスタンス。
【参考記事】
●強烈なレジスタンス突破したユーロ/円は135円へ! ドラギ総裁発言でユーロ急騰!(6月29日、西原宏一)
このところのユーロ/円は、この130円レベルでもみ合いを演じてきましたが、ユーロ/米ドルが前述の1.1714ドルを抜いてきたことにより、上昇を再開しました。
以下は、ユーロ/円の週足チャートです。
(出所:Bloomberg)
注目は、ユーロ/米ドル同様、200週移動平均。
200週移動平均線が位置しているのが130.67円。
今月(7月)のユーロ/円は、この200週移動平均線で上値を抑えられてきました。
ただ、ユーロ/米ドルが重要なレベルを抜けてきていることから、ユーロ/円も200週移動平均線を上抜け、さらなる上昇トレンドに入る可能性が高まります。
ユーロ/円の次の目標は、変わらず135円。
■0.8000ドルを回復した豪ドル/米ドルに注目
そして、ユーロ/円に加えて、もうひとつ注目なのが豪ドル。
長らくレンジを形成してきた豪ドル/米ドルですが、今月(7月)のRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])の金融政策決定会合がタカ派であったことから、重要なレジスタンスであった0.7835ドルを抜いて急騰しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 月足)
前述のFOMCがハト派であったことで、「米ドル売り・新興市場堅調」という要素も加わり、本稿執筆時点の豪ドル/米ドルは久しぶりに0.8000ドル台を回復してきています。
対円でも、90円をうかがう動きで底堅く推移。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)
当コラムで注目してきたユーロ/円に加え、0.8000ドル台を回復した豪ドル/米ドル、そして90円台回復をうかがう豪ドル/円の動きにも注目です。
【参考記事】
●強烈なレジスタンス突破したユーロ/円は135円へ! ドラギ総裁発言でユーロ急騰!(6月29日、西原宏一)
筆者の都合により、来週(8月3日)の「ヘッジファンドの思惑」は休載させていただきます。次回は8月10日(木)になります。
よろしくお願いします。
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