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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

クリスマスにかけてもう少し調整が続いても
来年以降、ドル高に向かうと考える理由は?

2017年12月14日(木)16:12公開 (2017年12月14日(木)16:12更新)
今井雅人

FXトレーダー・羊飼いに聞く、初心者におすすめのFX口座の選び方とは?

■FOMCは今年3回目の利上げを決定

 今年(2017年)も、残すところ2週間余りとなりました。

 昨日、12月13日(水)は、今年(2017年)最後の大きなイベントの1つである、米国のFOMC(米連邦公開市場委員会)が、前日(12日)に引き続き、開催されました。

 結果は、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を0.25%引き上げ、1.25%~1.50%にするという内容でした。

米政策金利の推移

※FRBのデータを基にザイFX!が作成

 今回の利上げは、今年(2017年)3回目の利上げとなり、年間で0.75%金利が上がったということになります。

■為替市場はセル・ザ・ファクトの反応

 FOMCの声明文の内容をよく読んでみましたが、これまでと変ったところは、あまりありませんでした。

 また、同時に公表されたFOMCメンバー全員による「経済・金利見通し」での「ドットチャート」においても、来年(2018年)に関して、今年と同様、3回程度の利上げを想定していることも、これまでと同じでした。

2017年12月FOMCで示されたドットチャート
2017年12月FOMCで示されたドットチャート

(出所:FRB)

 そういう意味においては、全体的に、事前予想とほぼ同じ内容だったということなのですが、為替市場は「セル・ザ・ファクト」の反応をしてしまっています。

【参考記事】
過去2年の12月FOMCはセル・ザ・ファクトで相場の転換点に! 今回はどうなる…!?(12月11日、西原宏一&大橋ひろこ)

米ドルVS世界の通貨 1時間足
米ドルVS世界の通貨 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足

 おそらく、それまで米ドル買いのポジションが少し積み上がっていたので、その調整の米ドル売りが入ったということだと考えています。

■税制改正の議会通過にまた一歩前進

 もう1つのイベントが、米国の税制改正の行方です。

 12月13日(水)、米国の上院財政委員会のハッチ委員長は、上下両院の共和党指導部が、税制改革法案の一本化で合意したことを明らかにしました。

 どうやら、当初、20%への引き下げを計画していた法人税率を、21%にするという内容のようです。それでも、現在の35%からは大幅な減税ということになります。

 その他、個人所得税の最高税率は39.6%から37%に引き下げるなど、いくつかの税制改正が盛り込まれています。

 トランプ米大統領も早速、この案を支持する意向を示しました。早ければ、週末15日(金)にも正式に決まり、来週(12月18日~)中には、上下両院で採決する方向で調整が進んでいるようです。

トランプ大統領

トランプ大統領肝いりの税制改革は、早ければ来週中にも議会で成立する可能性が高まっている (C) Chip Somodevilla/Getty images

■2大イベントの方向性が決まってきて、さらに材料難に…

 しかし、この報道に対しても、為替市場は、あまり大きな反応を見せませんでした。まだ、採決で両院を通過するかどうかについて、懐疑的な見方があって、反応していないのかもしれません。

米ドル/円 30分足
米ドル/円 30分足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 30分足

 ただ、いずれにしても、これで2つの大きなイベントの方向性が決まってきたことで、年末にかけて益々、材料難の状態が進んでいくと思います(ひょっとしたら、税制改正の採決に反応する可能性は残っているとは思いますが)。

■目先は調整しても、来年は米ドル高になると予想

 もともと、以上の2大イベントなどをにらみながら、米ドルのロング(=買い)で勝負をしていた投資家が、かなりいたということから考えると、クリスマスにかけては、もう少し調整相場が続くかもしれないと考えています。

米ドルVS世界の通貨 日足
米ドルVS世界の通貨 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足

 しかし、イベントとして終わったとしても、実際の経済に影響が出てくるのは、来年(2018年)以降ということになります。

前回のコラムでもお話ししましたが、米国の政策金利が上昇してくれば、米ドル買い圧力がかかってくると考えることは自然なことでありますし、税制改正も米国経済にはプラスに働くと思います。

【参考記事】
日本の機関投資家は米ドル/円でなぜ、為替ヘッジをしなくなっているのか?(12月7日、今井雅人)

 減税しても、金利が上昇することで相殺されて、結局、景気にはニュートラルだという意見もありますが、金利が上昇すれば、米ドル高圧力がかかるわけですから、どちらにしても、米ドル高に向かうのではないかと考えられます。


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松崎美子