■欧米の長期金利上昇で為替相場が動き出した!
先週(12月11日~)は、それまでの動きを引き継いで、クリスマス休暇に向けて、非常に動意の薄い展開が続いてきました。どの通貨ペアも、1日の変動幅が非常に狭くなり、投資家泣かせの状態でした。
そんな中、今週(12月18日~)に入ってから、欧米の長期金利が上昇したことで、為替相場が反応して、緩やかに動き出すという展開となっています。
■きっかけはドイツ。ユーロ圏各国で利回り上昇
きっかけは、ドイツ政府が今週(12月18日~)の初めに、来年(2018年)の国債発行額を、償還額が増えるために今年(2017年)より増やす計画を発表したことでした。
具体的には、ドイツの30年債は160億ユーロ発行する予定で、今年(2017年)の約110億ユーロから、かなり増加します。他の年限(=償還期間)の国債に関しては、今年(2017年)から変化はありませんでした。
この発表を受けて、ドイツの国債利回りは、30年債利回りを中心に上昇していきました。

(出所:Bloomberg)
それと合わせる形で、ユーロ圏各国の、すべての債券利回りが上昇しています。

※イタリアの利回りは左軸、ドイツ・フランスの利回りは右軸に表示
(出所:Bloomberg)
■余波は米国にも。米長期金利は2.5%へ
この影響は米国にも及んでいます。米国では、米税制改革法案の可決が確実になったことを受けても、米国債利回りの上昇は緩やかなものにとどまっていました。
しかし、12月19日(火)のNY市場で、11月の米住宅着工件数が1年1カ月ぶりの高水準となったことに加えて、ドイツの長期金利が上昇し始めると、それにつられる形で米国の長期金利も上昇。翌20日(水)には、10年物国債利回りが、一時2.5%に達する展開となっています。

(出所:Bloomberg)
■為替市場は金利の動きに素直に反応
こうした金利の動きに為替市場は素直に反応し、ユーロ高、米ドル高などが進行しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 4時間足)
その結果、米ドル/円では、米ドル高・円安、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)では、ユーロ/円を中心として円安という反応になっています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
特に、ユーロ/円はここ3週間ほどレンジ相場が続いていましたが、今回の金利上昇の影響で、そのレンジの上限を上に抜けてきました。
【参考記事】
●米長期金利上昇で米ドル下げ一服。ユーロ/円、英ポンド/円は大幅上昇も!?(12月1日、陳満咲杜)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
■投資家の新たなポジションは円売り!
さて、これからの動きでありますが、今回、たしかに金利に反応していますが、クリスマス休暇を目前としてやる気がないのか、値動きは緩やかなものにとどまっています。
ただ、クリスマス休暇が終われば、その後、動きが本格化してくる可能性は十分にあると考えています。
【参考記事】
●クリスマスにかけてもう少し調整が続いても来年以降、ドル高に向かうと考える理由は?(12月14日、今井雅人)
●FOMC後は、取り立てて米ドル/円を買う理由がない! 膠着状態はいつまで続く?(12月20日、松田哲)
クリスマス休暇を控えて、ポジション調整をした投資家が休暇明けに新たなポジションを作ろうと考えたとき、今の金利環境などを見ると、クロス円、米ドル/円で円売りをする、という選択をするのではないかと思うからです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
■スワップを稼げる状態で基本方針を維持
私自身はこれまでどおり、米ドル/円のロング(=買い)ポジションをキープしていますが、基本方針は維持しておこうと思っています。
相場の動きが鈍いときは、売り買いで儲けるのが難しくなるので、どうしてもポジションを長期間においてキープしない状態になりがちではありますが、基本的な方向性が間違っていないのであれば、スワップ金利(スワップポイント)を享受しつつ、次の動きに備えることも大切だと思います。
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