■米税制改革可決は既定路線だけど、米ドル高にならない!?
12月14日(木)に、米共和党議員2名が、税制改革法案の修正を求めたことで、米ドル/円は翌日15日(金)に112.03円まで下がりました。

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ただ、このあと、この2名の議員は、税制改革法案を支持に回ったことから、米税制改革法案の成立は既定路線となっています。
12月19日(火)に、下院で採決が予定されており、今週(12月18日~)中に上院でも採決が予定されていることから、税制改革法案は今週には可決しそうです。
ただ、既定路線となっているものの、為替相場の方は米ドル買いの勢いが弱く、税制改革法案が成立したとしても、年内に米ドルを買い上げていく動きは、あまり期待できない展開となっています。

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■日銀会合は無風で通過か
12月21日(木)には、日銀金融政策決定会合の結果公表があり、黒田日銀総裁が先日、リバーサルレートに関する発言をしたことで注目が集まります。
黒田総裁の記者会見では、その質問が出てくると思いますが、黒田総裁はそれを否定すると思うので、日銀会合は無風で通過するものと思います。
■米税制改革法案が成立すれば、米ドルは利食いで売られそう
今週(12月18日~)は、米税制改革法案の行方が注目のイベントであり、今年(2017年)最後のイベントにもなります。
これが成立するまでは、市場に期待が出てくるので、米ドルは底堅い展開が続くと思いますが、米税制改革法案が成立する週半ば以降に関しては、米ドルの利食い売りが出てくるのではないかと考えています。
【参考記事】
●クリスマスにかけてもう少し調整が続いても来年以降、ドル高に向かうと考える理由は?(12月14日、今井雅人)
円に関しても、IMM(国際通貨先物市場)における投機筋の米ドルに対するポジションが円売り越し方向に偏っていることから、ポジション調整で円高になる可能性の方が高いと思います。
【参考記事】
●米ドルが堅調でも米ドル/円は買いたくない!? 調整しているユーロ/米ドルを戻り売り!(12月12日、バカラ村)
●IMMの円売り越し13.6万枚! この数字が10万枚を越えると米ドル/円は調整しやすい(11月21日、バカラ村)

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
したがって、米ドル/円は、週半ば以降に売りではないかと考えています。週半ば以降に、113円台があれば売りで考えています。
ただ、米税制改革で米国株は上昇し、来年(2018年)には本国投資法(※)によるドル買いが出てくることから、米ドル/円を売り進める動きも限定的だと考えています。
(※編集部注:「本国投資法(HIA)」は、ブッシュ政権下で2005年に実施された時限立法。この法律下で、米国内での投資や雇用の創出を目的に、米多国籍企業による米国送金時の税負担優遇などが行われた。トランプ大統領が同等の効果を狙っていることから、本国投資法第2弾(HIA2)とも呼ばれる)
112円台前半では、米ドル/円を買い戻したいと考えていますが、111円台半ばにはサポートもあるので、さらに下がったとしても、ここでは下げ止まりそうに思います。

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