■為替相場を大きく動かしそうなテーマは?
(1)~(3)は2018年末の相場の水準についての質問だったが、次は、注目しているイベントなどについて見てみよう。

2018年の為替相場を大きく動かしそうなテーマでは、米国政治・経済・金融政策が40.7%でトップ。次に、地政学リスクが27.1%、欧州政治・経済・金融政策が18.6%となった。
利上げが順調に進みつつあり、FRB(米連邦準備制度理事会)議長の交代を控え、秋には中間選挙も控えるなど、材料が盛りだくさんの米国に対する注目度が高いようだ。
■パウエル新体制下での米金融政策に注目が集まる

特に注目しているイベントについては、新体制後のFRBの金融政策と答えた人が24.4%、北朝鮮情勢が15.4%、米国の中間選挙が12.8%、日銀の金融政策が11.5%の順となった。
【参考記事】
●2018年初頭に注目したいのはユーロ/円! 米中間選挙に向けて米ドル/円は105円へ(2017年12月21日、西原宏一)
先ほども少し紹介したように、2月に任期が切れるイエレン議長に代わって、パウエル理事がFRB議長に昇格することになるが、パウエル新体制下での米金融政策がどうなるのか、市場関係者の注目度は高い。
アンケート回答者の中で、大和証券のチーフテクニカルアナリスト・木野内栄治氏はやはり基本的には、新体制後のFRBの金融政策に注目しているとしていた。ただ、さらにBrexit(英国のEU離脱)に内包して、揺れ動いている欧州の金融政策もポイントに挙げていた。
また、ニッセイ基礎研究所のシニアエコノミスト・上野剛志氏は、今年(2018年)は、Brexit交渉の行方、英国政治の動き次第で大きく動く可能性があるということで、英ポンド/円の動向に注目していた。
ちなみに、木野内氏と上野氏は、以前にもザイFX!に登場している。詳しくは、以下の【参考記事】をご覧ください。
【参考記事】
●大和証券木野内氏と松崎美子氏が対談! 2013年後半は米ドル高・ユーロ安がテーマ
●被害総額・約60兆円! もしもシン・ゴジラが本当に襲来したら、日本経済はどうなる!?
■ビットコイン相場はバブルなのか?
次は、昨年(2017年)何かと話題になったビットコインについて。
ビットコイン相場は、昨年(2017年)後半にかけて急騰し、ビットコイン/円は一時200万円を突破、ビットコイン/米ドルも2万ドルの大台に迫った。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/米ドル 週足)
今回のアンケートでは、こうした動きがバブルなのか、市場関係者に聞いてみた。

結果は、YESが65.4%となり、NOの34.6%を上回った。
なお、ウォール・ストリート・ジャーナルでも、これと同じ質問をエコノミスト53人に聞いているのだが、その結果は、じつに51人(96.2%)までがビットコイン相場はバブルだと回答していた。こちらの調査期間は2017年12月8日~11日で、元の記事に調査対象国は明記されていないのだが、調査対象はおそらく米国もしくは欧米のエコノミストだと思われる。
ウォール・ストリート・ジャーナルの調査結果と比較すると、今回、日本の市場関係者にザイFX!が行ったアンケートでは、ビットコイン相場をバブルだと回答した人の割合が結構少ないことがわかる。
アンケート回答者の中で、フィスコ仮想通貨取引所の代表取締役・越智直樹氏は、2018年は仮想通貨に対する注目度がさらに高まるとし、
既存コインのアップデートや新規コインの登場に期待しているという。
次に、2018年のビットコイン/円の…
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