■マクロ的な動きと整合性がとれない相場
これまで当コラムで何度もお伝えしているとおり、この間も米長期金利は上昇を続け、米10年債利回りは2.6685%まで上昇しているほか、ダウ平均は連日のように、史上最高値を更新しています。
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
大型減税を受けて、米企業はその利益を従業員の給料アップや臨時ボーナスという形で還元するほか、個人の所得税も大幅な減税が決まっています。
米国企業による、海外保留資金のリパトリ(本国への資金還流)も今年(2018年)に入って活発化することを考えれば、米国への資金流入が米ドルを支えるという、マクロ的な動きは変えようがありません。
どうしても、米ドルが継続的に下落するような状況であるとは思えず、整合性のとれないままの相場に、正直、戸惑いを隠せないでいるところです。
【参考記事】
●米金利上昇でも米ドル安になった理由は? 出鼻をくじかれ、しばらく後遺症が残る!?(1月11日、今井雅人)
■ファンド勢は米ドル安政策への転換を察知していた!?
うがった見方をすれば、今年(2018年)に入ってからのマクロファンド勢の米ドル売り仕掛けは、今週(1月22日~)になって浮上してきている「米政府の米ドル安政策への転換」という大きな動きを、あらかじめ察知していたからではないかと勘繰ってしまうほどです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
ムニューシン米財務長官の発言については、サンダース米大統領報道官が「米ドルは引き続き力強く、安定している」との声明を表明しているように、「米ドル安政策への転換」と受け取るには、少々、無理があるように思います。
ダボス会議でのトランプ米大統領の演説なども控えており、今後はかなり神経質な動きが繰り返されることになりそうです。
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