■パウエル新FRB議長の議会証言に注目!
今週(2月26日~)の注目イベントは、本日27日(火)24時から始まる、パウエル新FRB(米連邦準備制度理事会)議長による、下院での初めての議会証言です。
事前に証言原稿が公表されますが、質疑応答でパウエル議長が何を答えるのか、初めての議会証言となるため、どのような答えが出てくるのかが注目されます。
また、市場参加者がミスリードする可能性もあり、市場との対話も見ることになるため、最注目のイベントとなりそうです。
その内容によっては、しばらく相場にトレンドができる可能性もあります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
■利上げに前向きな発言が出てくるかも…
2月2日(金)の米雇用統計の発表をきっかけに、米長期金利が上昇し、株式市場は急落、VIXショックとなりました。まだ米長期金利は上昇トレンド中のため、難しい局面だといえます。
【参考記事】
●金利急騰、株暴落でリスク回避の米ドル高!? ユーロや資源国通貨の下げが期待できそう(2月6日、バカラ村)
●VIX指数急騰で低ボラティリティ相場終焉! 株暴落でも底堅いドル/円も下値余地拡大(2月8日、西原宏一)
●米長期金利が「30年レジスタンス」を突破! 日米株の乱高下に警戒! 米ドル/円は…!?(2月12日、西原宏一&大橋ひろこ)
(出所:Bloomberg)
今は落ち着いているとはいえ、米長期金利の上昇トレンドがさらに加速するようであれば、株式市場に悪影響が出ます。
(出所:Bloomberg)
パウエル議長の議会証言で注目される内容としては、米利上げペースがどのようになるのか、そして、インフレの加速についてです。
利上げペースは、FRBは今年(2018年)、3回の利上げを予想しているため、3回を越えるような内容の発言が出れば、米長期金利が上昇し、米ドルも上昇することになります。
インフレについても、トランプ大統領が税制改革やインフラ投資を進めているため、インフレが加速することが予想されます。さらに、通商政策で米ドル安となれば、これもインフレを加速させる材料となるため、パウエル議長から利上げに前向きな発言が出てくる可能性があり、米長期金利にとっては上昇する材料となります。
3月1日(木)24時にも、上院でパウエル議長の議会証言があります。下院の議会証言の2日後のため、内容はほとんど同じになるはずですが、質疑応答では別の質問が出てくるため、1日(木)も金融市場を動かすイベントとなります。
■米通商政策が意識されて米ドル安に!?
先週(2月19日~)は米大統領経済報告が公表されましたが、貿易収支不均衡の是正に関して、為替レートを使って調整することが、1つの手段と捉えられていました。
【参考記事】
●トランプ政権がまた米ドル安を容認した!? ドル/円は106円台~108円台へレンジ入りか(2月23日、今井雅人)
ここからも、今後も通商政策が話題となりやすく、米ドル安へ推移していく可能性が高いのではないかと思います。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 週足)
米長期金利が上昇すると、株式市場は下落しますが、ただ、下降トレンドが続くというよりは、下がったところは買われやすいのではないかと考えています。
米国だけでなくユーロ圏なども景況感が良く、さらに、米税制改革やインフラ投資などもあるため、株式市場が下がり続けると考えるよりは、下がったところは買われる、と考えています。
ただ、米長期金利が上昇トレンドのため、株式市場の上昇は鈍いものになるのではないでしょうか。
■米ドル/円は108円台前半を超えるかがカギ!
米ドル/円は、2月16日(金)に105.55円の安値をつけてから反発しましたが、107.90円までしか上昇せず、上値の重い展開が続いています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
パウエルFRB議長の議会証言で方向が変わる可能性もありますが、108円台前半は昨年(2017年)から何度もサポートされたところになるため、ここを越えることができない間は、下降トレンド継続と考えておくべきだと思います。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
■ユーロ/米ドルは1.20ドル台まで調整!?
ユーロ/米ドルは1.2555ドルまで上昇しましたが、前回のコラムでも書きましたように、包み足となったため、下げてきています。
【参考記事】
●米ドル/円が底を付けたと考えるのは早い。現在最強通貨の円はさらになぜ買われる?(2月20日、バカラ村)
今はまだ、1.22~1.25ドルのレンジ内ですが、上昇が一服しているため、1.20ドル台への調整もあるのではないかと考えています。
(出所:Bloomberg)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)