■日銀が長期金利上昇を容認して以降、円高が進行
前回のコラムで、ご紹介させていただいたように、日銀は(一定幅という条件付きですが)、長期金利の上昇を容認。
【参考記事】
●日銀は長期金利上昇を条件つきで容認! 米ドル/円の下値余地は徐々に拡大へ…(8月2日、西原宏一)
日銀は円高対策として、フォワードガイダンスというサプライズを用意していましたが、その効果は数日ももたず…。
日銀の発表後は、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)を筆頭に円高が進行しています
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まず、英ポンド/円。
無交渉でのBrexit(英国のEU離脱)懸念が台頭して、下値が拡大している英ポンド/円は、今月(8月)に入り、5円弱急落しています。
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次は、NZドル/円。
RBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])が、オフィシャル・キャッシュレートを過去最低の1.75%に据え置くとともに、(経済成長の見通しが弱まる中)利上げの予想時期を1年先延ばししたことがきっかけで、NZドル/円も2円強下落しています。
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■季節要因もあって米ドル/円はじり安へ…
こうしたクロス円の下落の影響もあり、米ドル/円は、じり安の展開となっており、本稿執筆時点の米ドル/円は111.00円割れの110.75円で推移。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
米ドル/円は、日銀が用意したフォワードガイダンスというサプライズの影響で、一時112.15円まで反発する局面もありましたが、その後、前述のクロス円の下落の影響もあり、じり安に推移しています。
加えて、本日(8月9日)から注目のFFR(日米新通商協議)が開催されること、8月はシーズナルファクターもあり、円高に振れる傾向が高いことなどを背景に、米ドル/円は、じり安の展開となる公算が高まっています。
日銀の長期金利上昇容認後、じわじわと円高が進行しているクロス円、米ドル/円の動向に注目です。
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