■トルコリラは来年3月までは堅調に推移すると予想
今週(11月19日~)のトルコリラは堅調に推移し、対円では一時、21円台に乗せることができました。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 4時間足)
トルコリラが堅調に推移している最大の理由は、原油価格の下落です。原油安によってトルコの経常赤字が縮小し、インフレ圧力も弱まります。原油安が長期化すればトルコリラのボラティリティが低下し、再びショック安を起こす可能性が低くなります。
【参考記事】
●なぜ、トルコリラは上昇しているのか…!? 原油価格とトルコリラは逆相関関係にある(10月31日、エミン・ユルマズ)
●インフレ減速と原油下落はトルコに追い風! 21円台維持はハルクバンクへの罰金次第か(11月7日、エミン・ユルマズ)
●原油が弱気継続ならトルコリラも上昇継続! でも、ハルクバンクの罰金次第で20円割れも(11月14日、エミン・ユルマズ)

(出所:Bloomberg)
個人的には、来年(2019年)3月に行われる地方選挙までトルコリラは堅調に推移すると考えます。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 週足)
しかし、地方選挙に結果によって一波乱が起きる可能性がありますので、その後の動きについては、結果を見てからの判断となります。
■警戒すべき2つのリスク要因とは?
さらに、来年(2019年)3月までのリスクもゼロではありません。
もっとも大きなリスク要因は、前回のコラムでもお伝えしているように、ハルクバンクへの罰金の件です。
トルコのチャウショール外相は、今週(11月19日~)米国を訪問していて、ポンペオ長官と会談を行う予定です。この会談の最大のテーマが、ハルクバンクの件であることは間違いなさそうです。
【参考記事】
●原油が弱気継続ならトルコリラも上昇継続! でも、ハルクバンクの罰金次第で20円割れも(11月14日、エミン・ユルマズ)
2つ目のリスク要因は、世界の株式市場の調整によるリスクオフです。
金融市場全体でリスクオフモードに入れば、トルコリラだけはなく、その他の新興国通貨も売られると考えます。
現時点で新興国通貨は、むしろ買われていてボラティリティも低いので、まだリスクオフになっていません。
この2つのリスクに注意しながら、トルコリラのポジションをマネージメントすればいいと考えます。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)