■株価下落の主要因は米中の摩擦ではない!?
もちろん、米中貿易交渉に対する懸念というのも、株価にマイナスの影響を与えている可能性はあるでしょう。
しかし、ここにきて、来年(2019年)1月に、米中で合意文書を交わすという報道が出てきても、株価は一向に回復しません。
ですから、この問題が最近の株価下落の主要因であるとは考えられません。
やはり、ここまでは、金融引き締めがいよいよ、金融市場に本格的に影響を与え始めたと考えたほうが、自然ではないかと思います。
■米ドルに下落圧力。リスクオフで円高にも
株価が下落していることで、米国の長期金利も急低下しています。10年物国債の利回りは、2.7%台にまで低下してきています。
(出所:Bloomberg)
当然、米ドルにも下落圧力がかかります。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
株価の下落で、リスクオフのムードが広がり、円高傾向にもなっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
■米ドル/円には110円程度までの下落余地
これまで、米ドル高ムードが為替市場にはありましたが、ここにきて、ムードは一転しています。
マーケットのポジションも、まだ米ドルのロング(=買い)です。米ドルに対する下落圧力が、どこまで続くか、よく注視しておく必要があるでしょう。
一目均衡表などを見る限り、米ドル/円も、110円程度までの下落はありうると考えています。
(出所:Bloomberg)
【参考記事】
●炭鉱のカナリアが米国株急落を再度警告! 2019年の米ドル/円は105円台に下落か(12月20日、西原宏一)
●Brexit協議難航で英ポンド底打ちは遠そう。FOMCで米ドル/円はトレンド発生なるか?(12月18日、バカラ村)
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