■FOMCは市場を左右する材料にならず…
3番目は、各国の金融政策です。
9月17日(火)~18日(木)に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、0.25%の利下げが決定されましたが、この決定は市場の予想どおりだったので、特段、市場への影響はありませんでした。
【FX初心者のための基礎知識入門】
●FOMCとは? 米国の政策金利FFレートやイベントのスケジュールを徹底解説!
※2008年12月以降は誘導目標レンジの上限を掲載
※FRBのデータをもとにザイFX!が作成
問題は、今後の金融政策がどうなるのかという点でした。
FRB(米連邦準備制度理事会)はFOMCの声明文で、「経済成長と雇用の力強い伸びが継続する可能性が高い」としながらも、「見通しに対する不透明感は残る」と、米国の景気に対しては、どっちつかずの姿勢を示しました。
その上で、「景気を維持するために適切に行動する」としましたが、これは、利下げを明確に示すものではないということで、市場には失望感が広がりました。
しかし、その後の会見でパウエルFRB議長が、「FRBは必要に応じて積極的な措置を取る用意がある」と、やや前向きな姿勢を見せたことで、失望感もやや和らぎましたが、それでも消化不良のような状態となっています。
これも、市場を左右するような材料とはなりませんでした。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
■日銀は次回会合での検討を示唆
また、本日(9月19日)は、日銀が金融政策決定会合で政策の維持を決定しました。
声明文では「次回会合での検討」が示唆されましたが、たとえ何らかの追加金融緩和策が議論されることになったとしても、限定的な内容にとどまるでしょう。
市場への影響も、もしあったとしても、一時的なものに終わるのではないかと考えています。
■ジョンソン英首相の飛び道具に警戒!?
最後にブレグジット(英国のEU離脱)ですが、こちらは、10月末の離脱期限が延期される可能性が高まっています。
【参考記事】
●ジョンソン英首相が窮地!? 英ポンド急騰! しかし、英ポンドはいずれまた売られる(9月6日、今井雅人)
●混迷のブレグジット…。短期再開となった英議会でボリス首相が喫した6連敗とは?(9月12日、松崎美子)
●英ポンドは買いか? 売りか? 「合意なき離脱」の可能性は本当にない!?(9月13日、松崎美子)
それを受けて、英ポンドは上昇してきたわけですが、そうなると、ジョンソン英首相の完全な政治的敗北となるので、彼はまだ、諦めていないかもしれません。
今は議会が休会中ですが、来月(10月)再開されるあたりから、何か飛び道具を出してくるかもしれないので、まだ気が抜けません。
もしそうなったら、英ポンドは、再び暴落することもありえます。
(出所:TradingView)
以上、主要な材料がすべて中途半端なので、これからの1週間も、今週(9月16日~)と同じような動きとなる可能性が高いと思います。次のチャンスを待ちたいと思います。
【ザイFX!編集部からのお知らせ】
ザイFX!でもおなじみの今井雅人さんからのレポートを受けて、ザイFX!が 配信する「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人(月額:5,500円(税込))」。
その日のニュースをコンパクトに解説し、今後の為替の値動きについての予測とともに、今井氏のポジションについても可能な限り配信する、実践型の有料メルマガです。
「ザイFX! FXプレミアム配信 With今井雅人」には10日間の無料体験期間がありますので、ぜひ一度体験していただき、みなさんのトレードの参考にしてみてください。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)