■為替相場は当面、フラフラした動きが続きそう
ほかのところにも書いているのですが、結論から言うと、今後、当面の間、為替相場は方向感を失った、フラフラした動きが続く可能性が高いと考えています。
ですから、トレードも、レンジトレードを想定して行うことが、現在の環境では、もっとも適切ではないかと考えています。
【参考記事】
●長期目線で株は二度とない絶好の買い場! でも、為替相場は短期のトレンド狙いで!(4月2日、今井雅人)
では、そう考える理由を、これからご説明していきます。
■「株安・円高」の第1ステージ
すでに、何度か説明をしていますが、今回の新型コロナウイルスショックによって、金融市場では何段階かの局面がありました。
まず、第1ステージは、リスクオフの動きです。
イタリアで新型コロナウイルスの感染が広がり始めたころから、金融市場は大混乱を始めました。最初は、各国の株式市場が暴落しました。
(出所:Trading View)
それに合わせて、為替市場では、リスクオフからの円買い(米ドル安)が進行することとなります。米ドル/円が、112円台から一気に101円台にまで急落したのは、皆さん、ご存じのとおりです。
(出所:Trading View)
また、資金の逃避先として、米国を中心とした各国の国債や、金への資金流入が起きました。
【参考記事】
●新型肺炎は中国の問題から世界的な問題へ。米ドル/円は105円程度まで下落の可能性も(2月28日、今井雅人)
●新型コロナのダメージに金融緩和や財政出動は効かない!? 米ドル/円は105円前後へ(3月5日、今井雅人)
■「株安・米ドル高」の第2ステージ
しかし、その後、局面が変わっていきます。大きな損を計上した機関投資家、あるいは業績が悪化した企業などが、資金繰りのために、とにかく現金が必要になり、ありとあらゆる金融資産を売り始めます。
その結果、株式はさらなる下落をする一方、金、債券などは、それまでの上昇から一転して、暴落に転じるという現象が起きました。
(出所:Trading View)
さらに、資金繰りという点で、基軸通貨である米ドルの確保が投資家、企業ともに不可欠となり、マネーマーケットで米ドルをかき集めるだけでは間に合わず、為替市場でも米ドルを買って、資金繰りに充てるという行動に出てきました。
その結果、米ドル相場は急上昇する展開となりました。米ドル/円も、101円台から反転し、一気に111円台にまで上昇するという動きとなりました。これが、第2ステージです。
【参考記事】
●これは、リーマンショック以上の危機!! 世界的な米ドル不足で米ドル全面高に(3月19日、今井雅人)
●ある程度の反発終われば株は弱気相場へ。米ドルは現状の高値水準でレンジ形成か(3月26日、今井雅人)
(出所:Trading View)
そして、その後ですが、株式市場は…
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