■観光業の復活を望む理由はイスタンブール空港
トルコ政府にとって、観光がいち早く復活してほしい大きな理由のひとつは、建設されたばかりのイスタンブール空港です。昨年(2019年)4月にオープンしたばかりですが、建設に1兆2000億円以上の費用がかかったメガプロジェクトです。
【参考記事】
●なぜ、トルコリラは上昇しているのか…!? 原油価格とトルコリラは逆相関関係にある(2018年10月31日、エミン・ユルマズ)
空港を運営している企業は、トルコ政府に25年間で約2.6兆円のレンタル料を支払う契約となっていましたが、パンデミックのせいで収入が激減し、経営危機に陥っています。
そのため、イスタンブール空港の国有化は避けられないとの見方が多くなりました。ボスポラス海峡に架けられた第3大橋(正式名:ヤウズ・スルタン・セリム橋)についても同じような懸念があります。
■トルコリラ/円は円安恩恵で16.30円水準まで上昇
今週(6月1日~)のトルコリラですが、対米ドルでは先週(5月25日~)の水準からほとんど動かず、米ドル/トルコリラは6.70リラ近辺で推移しています。しかし、トルコリラ/円は円安の恩恵を受け、一時16.30円水準まで上昇しました。

(出所:IG証券)

(出所:IG証券)
米国のデモ騒動は、今のところグローバル市場に悪影響を与えていません。個人的には、デモが米国だけに限定され、世界に広がるようなことにならなければ為替や株式市場に影響は出ないと考えています。
一方で、すでにデモがフランスに飛び火しているとの報道が出ています。パンデミックで世界的に失業率が高まっていて、人々の不満が溜まっているので、米国のデモが形を変えて世界に拡散する可能性があります。
特に先進国は、ロックダウン解除に向かっている最中なので要注意です。
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