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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

英ポンドを対米ドル・対ユーロで戻り売り!
トルコ中銀、10%近い利下げへ舵を切る!?

2021年04月12日(月)15:43公開 (2021年04月12日(月)15:43更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■「東芝の2兆円買収」は、英ポンド売りか?米ドル売りか?

先週(4月5日~)、注目されたのが、英投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズによる、東芝への買収提案


成立すれば、2兆円規模の巨額買収となります。

為替のフローを素直に考えれば、英国の会社が日本の会社を買うため、英ポンド売り・円買い。


つまり、英ポンド/円への下落材料となります。

【参考記事】
英投資ファンドが東芝に2兆円超の買収提案。ポンド調整入り。ユーロ/ポンド0.90ポンドへ(4月8日、西原宏一)

報道される前夜、4月6日(火)のNY市場では、英ポンド/円が急落しました。情報が漏れていたのかもしれませんね。

英ポンド/円 日足
英ポンド/円 日足チャート

(出所:TradingView

ただ、そう単純ではないかもしれません


思い出すのは2018年、武田薬品によるアイルランド製薬大手シャイアーの買収です。英ポンド/円の買いになるのではと言われましたが、ADR(米預託証券)が絡んだこともあり、米ドル/円の買いになったようです。


シャイアーと同じように考えれば、東芝買収は米ドル/円の売りともなりますが、まだはっきりしません。

【参考記事】
武田薬品の英シャイアー7兆円大型買収の行方に注目! 巨額の英ポンド買いの噂も?(2018年4月26日、西原宏一)
英ポンド/円を英投資ファンドの東芝買収案件で売るのは、やや無理がある。理由は?(4月9日、今井雅人)

■5.9兆円と「もう1人のビル・フアン」

アルケゴス・キャピタルの件は、いかがですか?


アルケゴスはビル・フアンのファミリーオフィスでしたが、ファミリーオフィス全体の運用額は5.9兆円にのぼるとの調査もあります。かなりの規模ですね。

【参考記事】
米ドル/円、アルケゴスショックへの反応も限定的。短期112円、中期120円へ上昇継続!(4月1日、西原宏一)
「リスクオフの円高は終了」説を再確認。ドル/円は大きな押し目なく、112円台乗せか(4月5日、西原宏一&大橋ひろこ)

ファミリーオフィスには監督当局への報告義務がなく、運用実態がわかりづらいため、インパクトを測りにくいのも事実です。


ただ、市場には安心感が広がっているようで、VIX指数(恐怖指数)は16ポイント台まで低下。コロナショック前の水準に近づいています。これがもう少し下がったら、警戒したほうがいいのかもしれません。

VIX指数(恐怖指数) 日足
VIX指数(恐怖指数) 日足チャート

(出所:TradingView

市場が安心しきったところで、大きなショックが来るかもしれない、ということですね。

2007年、仏大手金融機関のBNPパリバが投資ファンドの解約凍結を発表し、パリバショックが起きました。パリバショック自体は一時的なものに収まりましたが、その余波から翌年(2008年)に起きたのがリーマン・ショックです。


「もう1人のビル・フアン」が登場すると、さすがに金融危機に陥りかねません。

【参考記事】
リーマン・ショックにアベノミクス相場! プレイバック、平成30年間の米ドル/円相場

■米長期金利、2%へと向かっていく流れは変わらず

さて、今週(4月12日~)のイベントでは、まず、米CPI(消費者物価指数)の発表が明日の13日(火)にあります。前年同月比で+2.5%と、強い予想が出ていますが。

【参考コンテンツ】
FX初心者のための基礎知識入門:消費者物価指数/生産者物価指数

債券市場が、どう反応するか、ですね。


今夜(4月12日)は米10年債、明日(4月13日)は米30年債の入札がありますが、米長期金利が2%へと向かっていく流れは変わらないでしょう。

米長期金利(10年物国債利回り) 週足
米長期金利(10年物国債利回り) 週足チャート

(出所:TradingView

パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は今朝、米経済は「変曲点」にある、と発言しています。


市場の想定よりもタカ派的な発言でしたし、4月14日(水)のパウエルFRB議長講演にも注目したほうがいいでしょう。

■トルコ、19%の政策金利が1ケタ台へ!?

中央銀行関連では、14日(水)にRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])、15日(木)にトルコ中銀の政策発表です。


トルコは、中銀総裁が更迭されてから初めての会合。コンセンサスは据え置きですが、エルドアン大統領は「政策金利を1ケタ台に下げることで予算の負担も減る」と、利下げ圧力を強めています。


現在の政策金利は19%ですから、今後、1ケタにまで下げていくとなると、10%近い利下げとなります。


今週(4月12日~)の戦略は、どう考えますか?

【参考記事】
中銀総裁更迭でトルコリラ/円が大暴落! ドル/円はいずれ120円との見通し変わらず(3月22日、西原宏一&大橋ひろこ)
トルコリラが15%超の暴落! なぜ、トルコ中銀総裁は突然更迭された?(3月23日、エミン・ユルマズ)

米ドル/円の111~112円は、昨年(2020年)2月の高値水準であり、コロナショック後の高値圏でもある重要な水準。


ここを抜けるのには、少し時間がかかるのかもしれません。注目は英ポンドですね。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

■アストラゼネカ製ワクチンに血栓リスク

英ポンド/米ドルの日足チャートは、一目均衡表の雲を下抜けし、MACDもデッドクロス。チャート的には、下がりやすい形となっています。

【参考コンテンツ】
FX初心者のための基礎知識入門:一目均衡表
FX初心者のための基礎知識入門:MACD

英ポンド/米ドル 日足
英ポンド/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

今年(2021年)の英ポンドは、アストラゼネカ製のワクチン需要で上昇した側面もあります。


ところが、アストラゼネカ製のワクチンに、血栓リスクが浮上してきました。

アストラゼネカ製のワクチン接種を、取りやめる国も出てきましたね。

予断を許しませんが、英ポンドにとって好材料ではないことはたしか。


今週(4月12日~)は、英ポンド/米ドルの戻り売り、あるいは、ユーロ/英ポンドの押し目買いでいいのではないでしょうか。

【参考記事】
英投資ファンドが東芝に2兆円超の買収提案。ポンド調整入り。ユーロ/ポンド0.90ポンドへ(4月8日、西原宏一)

英ポンド/米ドル 日足
英ポンド/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/英ポンド 日足
ユーロ/英ポンド 日足チャート

(出所:TradingView

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